航続距離+105kmを実現した新モデル
レクサス「RZ」は、2023年3月に発売が開始されたばかりのEV専用車で、従来は前後デュアルモーターの「RZ450e」のみがラインナップされていた。
今回追加された「RZ300e」は、フロントモーターを1基搭載し前輪を駆動するFWDモデルであり、電力ロスの少ないSiC素材(シリコンカーバイド)の採用によるエネルギー効率の向上で、4WDモデルの「RZ450e」と比較して航続距離が105km伸びた599kmを実現しているのが大きな特徴である。
また、RZ450eの開発で掲げた走りのコンセプト“The Natural”を継承し、同じBEV専用プラットフォーム「e-TNGA」を採用しつつ、バッテリーやモーター配置の最適化による理想的な慣性諸元、軽量かつ高剛性なボディに仕上げられた。
さらに、リヤサスペンションメンバーの新開発、コイルスプリングやスタビライザー、ショックアブソーバーの設定変更を施したことで、RZ450eより100kg軽いFWDモデルという特性を生かした ”走りの質” も洗練されている。
冬場の急速充電を20~30%短縮
既存のRZ450e含めたRZ共通のアップデートとして、「電池急速昇温システム」を新採用。このシステムは、空調用ヒーターの発熱を車両フロア下に搭載するバッテリーへ伝達する経路を改良し、熱損失を最小限にすることで、冷間時のバッテリーの温度を速やかに上げ、充電速度の向上を実現する。
レクサス発表の充電警告灯点灯時から約80%までの充電時間データによれば、外気温が-10度の時、50kW充電で約20%、90kW充電で約30%の時間短縮に、外気温が0度の時、90kW充電で約20%の時間短縮に貢献しているそうで、冬場の特に寒冷地のユーザーにはありがたい機能と言えるだろう。
ちなみに気になる車両価格は、今回追加された「RZ300e」が820万円、既存モデルの「450e」が880万円に設定され、両モデルともに「version L」のみの設定となる。
【主要諸元 レクサス RZ300e】
●全長×全幅×全高:4805×1895×1635mm
●ホイールベース:2850mm
●車両重量:1990kg
●モーター:交流同期電動機
●最高出力:150kW(203.9ps)
●最大トルク:266Nm
●バッテリー総電力量:71.4kWh
●WLTCモード航続距離:599km
●駆動方式:FWD
●タイヤサイズ:235/60R18
●車両価格(税込):820万円