一充電走行距離465kmのコンパクトEV
SUVではあるけれど、武骨なSUVではなく、オンロード走行性能を高めたSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)と呼ぶというのが、BMWのXシリーズ。そのXシリーズの最小モデルとなる「X1」シリーズに加わった、EVバージョンが「iX1」だ。
2023年2月に「X1」シリーズの最新モデルが日本で発売されるのに合わせ、EVバージョンの「iX1」が初めて追加された。新世代の「X1」シリーズは第3世代。大型化したカーブド・ディスプレイやシフトレバーの廃止など、操作系が一新され、デジタル化が進んでいることが特徴だ。
EVバージョンの「iX1 xDrive30(エックスドライブ・サンマル)」は、ボディ床下に66.5kWhのリチウムイオン電池、前輪と後輪にそれぞれ駆動用モーターを搭載する4WDだ。前後のモーターが生み出すシステムトータルでの最高出力は200kW(272ps)、最大トルクは494Nm。2トンを超えるヘビー級のボディでありながら、0→100km/h加速を5.6秒でクリアする。一充電による走行可能距離は465kmだ。
90kWの急速充電器を使えば、充電残量10%のバッテリーを約50分で約80%まで充電可能。自宅に8kW(200V・40A)のBMWウォールボックスGen3を設置していれば、同じく10%→80%充電を約6時間半でできるという。
iX1のスポーツ性と安全性を担保する先進技術
iX1のグレード展開は「xLine」と「M Sport」のふたつで、両グレードともアダプティブMサスペンションを標準装備としており、エンジン車の標準サスペンションよりも車高が20mm下がっている。一方ラゲッジスペース容量は、バッテリーやリアモーターを搭載するためエンジン車(540L)より50L少ない490Lとなっている。
最新のBMWらしく、先進運転支援システムやコネクテッド機能も充実している。その中でもトピックは「リバース・アシスト/後退時ステアリング・アシスト機能」だ。
これは35km/h以下で走行した直近50mのルートを自動で記録し、必要なときにこの機能をスタートさせると、記録されたルートどおりに後退するようハンドル操作を自動で行なってくれるもの。ドライバーは周辺環境を確認しながらアクセル・ブレーキペダルを操作するだけだ。狭い道で行き止まりに入ってしまったり対向車とすれ違えないときに、安全に後退できるのだ。
【主要諸元 BMW iX1 xDrive30】
型式:ZAA-62EF67 寸法:全長4500×全幅1835×全高1620mm ホイールベース:2690mm 車両重量:2030kg 乗車定員:5名 最小回転半径:5.6m 電力量消費率:155Wh/km(WLTCモード) 一充電走行距離:465km(WLTCモード) 電池総電力量:66.5kWh システム最高出力:200kW(272ps) システム最大トルク:494Nm 駆動方式:四輪駆動 車両価格:698万円 CEV補助金:65万円