IT・デジタルコンテンツ分野の即戦力となる人材育成を行う専門学校HALが、マツダとの産学連携プロジェクトを実施した。テーマは「10年後の若者に向けたマツダ車」。同校のカーデザイン学科の学生たちが10年後の若者が暮らす社会を想定した未来のマツダ車を企画・提案し、去る11月1日には最優秀賞と優秀賞が発表された。(タイトル写真は最優秀賞を受賞した淺野隼士さんの作品)

10年後のクルマを学生たちはどう考えているのか

今回の産学連携プロジェクトは2023年4月より開始。まずはマツダの会社紹介やデザインについての考え方、産学連携プロジェクトを進めるにあたってのテーマや仕様、スケジュールが発表された。学生たちはグループでコンセプトワークに取り組み、10年後の社会やターゲットなどの設定に着手した。

その後、設定したコンセプトをもとに、各人がエクステリアデザインやインテリアデザインの最終スケッチを完成させた。なお、制作の過程では、同校の卒業生を含むマツダのデザイナーたちから直接指導を受ける機会も設けられたという。

7月に行われた学内でのプレゼンテーションで3名の作品に絞り込まれ、先日、マツダ東京本社にてマツダデザイン開発推進部で活躍するデザイナーたちを前に最終プレゼンテーションに臨んだ。

第一線で活躍するマツダのカーデザイナーによる審査を経て決定された最優秀賞、優秀賞は以下のとおりだ(敬称略)。

●最優秀賞 淺野隼士(カーデザイン科)

「デジタルネイティブな“α世代”に向けたエレガントクーペ。車体の色を気分で変えられたり、フロントウインドウに画像や映像を映し出すことができ、ファッションの一部として個性を表現することができる斬新なモビリティです」

画像: ●最優秀賞 淺野隼士(カーデザイン科)
画像: 最優秀賞を受賞した淺野隼士さん(左)。

最優秀賞を受賞した淺野隼士さん(左)。

<講評>
マツダらしいデザインを実現し、造形表現でも優れた提案をしてくださいました。特に注目すべきは、授業の最終作品からドラスティックな進化に挑戦してすべてのレベルを向上させたその気概です。そのスピードとクオリティに我々は素直に感動を覚えたほどです。

●優秀賞 藤井樹(カーデザイン科)

「一心同体×人馬一体を体現する“アガるMAZDA”をテーマに2人乗りで操る新感覚のスポーツカーを提案。2人で操縦することを比翼の鳥に例え、翼をモチーフとしたデザインにしました」

画像: ●優秀賞 藤井樹(カーデザイン科)
画像: 優秀賞を受賞した藤井樹さん(左)。

優秀賞を受賞した藤井樹さん(左)。

<講評>
マツダの目指す楽しいドライビング体験を感じさせるデザインを高いレベルで表現してくださいました。講師のアドバイスを受けて、全長を短くするといった難題に果敢に取り組まれ、そのプロセスでクオリティと挑戦心を示してくれました。プロダクトデザインはクライアントの要望に沿って初めて完成しますので、今回の経験がその理解を深める機会となったことでしょう。

●優秀賞 杉本政(カーデザイン科)

「10年後は友人同士で暮らす拡張家族が広まると考え、皆が集える家以外の空間=“離(はなれ)”をテーマにしました。東屋や棚田など、和のモチーフを取り入れながらモダンな雰囲気を感じるモビリティに仕上げました」

画像: ●優秀賞 杉本政(カーデザイン科)
画像: 優秀賞を受賞した杉本政さん(左)。

優秀賞を受賞した杉本政さん(左)。

<講評>
今のマツダのクルマから一歩踏み出した「新しさ」を感じさせます。マツダデザインが目指す「クルマの美しさ」を独自の視点で表現していることが新鮮で、この作品には未来を感じます。今後プロデザイナーとして経験を積む中で、引き続き新しい創造を追求していただきたいです。

画像: マツダ東京本社にて開催されたプレゼンテーション/表彰式。

マツダ東京本社にて開催されたプレゼンテーション/表彰式。

10年後のマツダ車、そしてクルマの姿を予見させる今回の産学連携プロジェクト。先ごろ閉幕したジャパンモビリティショー(JMS)のマツダブースでは「『クルマが好き』が、つくる未来」をテーマにコンセプトカー「MAZDAアイコニックSP」が注目を浴びていたが、次回のJMSでは彼らが手掛けたコンセプトモデルが出品されるかも知れない。

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