モビリティカンパニーとしての面目躍如
このところホンダが新たなモビリティ社会へ向けて活発な動きを見せているが、JMS 2023のブースもそれを象徴するものとなっていた。「ホンダとはそもそもこういう企業なのだ」と改めて納得させられるものがあった。
冒頭の三部敏宏社長によるスピーチでは「東京モーターショー」から「ジャパンモビリティショー」への進化を踏まえて、「ホンダの考える多様なモビリティの現在、そして未来を展示します」という説明があった。そしてブースのテーマは「ホンダ ドリーム ループ」で、「ホンダの夢を形にしたモビリティから、未来へ向けて皆さんの夢がループで広がっていく」ということを表したという。
具体的な展示はまず、時間の制約から解放してくれる自動運転車両「クルーズ・オリジン」。これはすでに発表されているが、GM・クルーズと共同で2026年初頭の開始を目指す、自動運転タクシーに使用されるモデルだ。運転席はない、もちろんハンドルもない、キャビンは対面6座のシートで構成されている。
さらに地上、海、空を自由にシームレスに移動できる「Honda eVTOL(ホンダ イーブイトール)」の5分の1モックアップ、そしてかつての大ヒット作「シティ」を彷彿とさせる、アクリル樹脂を再利用した「SUSTAINA-C Concept(サステナ・シーコンセプト)」が展示される。
そして、三部敏宏社長がスピーチの最後にサプライズで紹介したのが、「プレリュードコンセプト」。プレリュードは1978年に初代がデビュー、その後、80年代にはデートカーとして一世を風靡したことは言うまでもない。今回はハイブリッドとして登場することになる。これは単なるコンセプトモデルではなく、市販へ向けて「鋭意開発中」というから期待は高まるばかりだ。
ホンダは今また、かつての“らしさ”を取り戻しつつあるようだ。そんなことを実感させられたJMS 2023のプレスブリーフィングだった。