車両の行き先を地面に投影するプロジェクションランプ
従来、市光工業は主にドライバーの視認性向上と車両の日視認性向上のためのライティングを開発してきたが、今回展示されるプロジェクションランプは、より安全/安心な交通社会の実現を目指した新技術だ。
路面に車両の行き先を表示するという新しいアプローチは歩行者や自転車、バイクなどの道路利用者とのコミュニケーションを目的としたもので、これにより、ドライバーだけでなく周囲の道路利用者に車両の動きや危険を分かりやすく伝えることで、接触事故の低減を図る。
また、走行音の静かな電動化車両や、死角の多いトラックやバスなどの大型車両においても効果的であり、特に交差点や駐車場といった交通事故の多い場所での安全性向上に貢献するとしている。
次世代のフロント/リアランプ
EVや自動運転がメインとなる時代を見据えた、新しいライティング技術のコンセプトモデルも公開される。フロントフェイスを従来のグリル部分までランプを拡大することにより、デザイン性に加えてコミュニケーション機能を持たせることが可能になる。
一方、リアフェイスでは、大型のライティングエリアを確保することで被視認性を強化するとともに、LEDを用いたディスプレイにより後続車への注意喚起を行うこともできるようになる。
自動運転車用コミュニケーション機構
e-Faceは自動運転車から周囲の交通利用者へのコミュニケーションの支援で安心/安全を提供する外向けHMI(Human-Machine-Interface)だ。自動運転中の車両の状況に応じて、文字や表情で「発進」、「横断者あり」、「停車」、「右折」、「左折」、「あいさつ」などのサインを表示する。
この機能により、ドライバーが通常行う周囲の交通利用者とのコミュニケーションの一部をe-Faceが代替するとともに、将来的にはドライバーが不在となる自動運転レベル4以上の車両において、車両が自発的に周囲の歩行者とコミュニケーションを取り、乗員/歩行者の双方が安全/安心できるスムーズな運行の実現を目標としている。
新時代のモビリティ社会においては、ライティングの重要性はますます増してくることは間違いない。それがよくわかる展示になっているようだ。