前提となるコスモMyカーリースについて
コスモはガソリンスタンド以外にも様々な事業に取り組んでおり、モビリティサービス領域ではコスモMyカーリースを展開している。国産の全メーカーから全車種が選択可能でオプションも自由に選択できることに加え、税金やメンテナンスも全て込み込みのシンプル設定であることにより、累計契約台数10万台以上という人気商品となっている。こうしたことから、コスモMyカーリースでは一般消費者が占める割合が全体の85%に達している一方で、ビジネス向けのリース展開には課題があったという。
そこで今年5月、B to Bのテコ入れとしてMyカーリースの1プランとなる軽商用EV「ASF2.0」を追加し、合わせてカーリース/電力プラン/充電設備がセットとなった「ゼロカボプラン」を発表していた。
気になるリース金額はEV補助金込みの場合、黒ナンバーで2万円台、黄ナンバーでは3万円台を想定、リーズナブルな価格設定にするという。
ASF製商用EV「ASF2.0」
このプランでは資本業務提携関係にある日本のEVスタートアップ、ASF株式会社の商用EV「ASF2.0」が使用される。ちなみに、ASF2.0という車名は、ASFの2号機という意味ではないそうで、開発中の超小型EVが「ASF1.0」、それより大きな商用EVが「ASF2.0」と命名されている。
また、自動車業界で一般的な「プロダクトアウト」ではなく、ユーザーのニーズに合わせた「マーケットイン」スタイルでの開発が徹底されているため、日々の業務で役立つ車内装備を数多く持っている。
たとえば、さっと取り出しやすい頭上の書類入れとティッシュ入れ、アプリを通じたスマホの画面ミラーリング機能、巨大なサイドミラーに100VのAC電源など細かなところまで配慮された設計となっている。
肝心の乗り心地やいかに
試乗会場はお台場で、15分程度走行した。加速フィールやハンドル操作へのレスポンス、突き上げに関しては非常に良くできており、毎日業務で使用しても疲れにくい設計になっていると感じた。一方、ブレーキは一度踏んで、さらに踏み増して止まるようなフィーリングだった。
基本的にEVのブレーキフィールは、ガソリン車とは異なり回生ブレーキとうまく組み合わせてスムーズに止めることを意識的に行わなければならないものが多い。ただ、この車両は商用EVであるため、荷崩れなどを防止するためにも、よりよいスムーズなフィーリングになると有り難い。
静粛性に関しては、急な加速時にはモーター音が車内に入ってくるが、それ以外は非常に静かでストレスフリーだった。また、サイドミラーは大きく抜群の視認性を誇っていた。道幅の狭い路地を走行する際には気を遣うこともあるだろうが、安全性向上に大きく貢献してくれるように感じた。