テスラ人気を牽引する「モデル3」が初の大規模改良を実施、9月1日に国内でも正式発表された。一見してわかるエクステリアの変更、航続距離の延伸、一新されたインテリアと快適性を増した車内空間など、テスラブランドを支える量販モデルに相応しい充実の内容となっている。

前後エクステリアを一新してCd値を改善

通称“プロジェクト・ハイランド”のコードネームで呼ばれていたテスラモデル3のリフレッシュバージョンが発表された。すでに日本の公式ホームページでは新型の情報に更新されており、今回はそちらの情報に加え、欧州および中国仕様のデータも交えながら大きく変貌した新型モデル3の全容を紹介していこう。

画像: ヘッドライト、フェンダー、ボンネットフード、バンパーを全面変更。

ヘッドライト、フェンダー、ボンネットフード、バンパーを全面変更。

まずはひと目でわかるのがフロントエンドの刷新だ。ライト形状の変更に伴い、ボンネット、フロントフェンダー、バンパーが変更されてスポーツカーを連想させるスポーティなフロントマスクとなった。

さらに、リアコンビランプのデザインも刷新され、併せてバンパー形状なども変更されている。またホイール形状も空力的に最適化され、標準装着される18インチの「フォトンホイール」のほか19インチの「ノバホイール」もオプション設定される。

画像: コの字型に変更されたリアコンビランプ。バンパーの形状もよく見ると変わっている。

コの字型に変更されたリアコンビランプ。バンパーの形状もよく見ると変わっている。

これらエクステリアデザインの効率改善によって、Cd値は従来型の0.225から0.219へと大幅に向上した。ちなみに全長は旧型に比べ25mm伸びて4720mmとなったが、全幅は1850mmで変わらない。また全高は1445mmから1441mmへとわずかに下がっている。

モーター、バッテリー(RWDはLEP、ロングレンジAWDはNMCA)とも従来型からの変更はないにもかかわらず、一充電航続距離はRWDグレードで513km、ロングレンジAWDでは629kmを実現した(※いずれも欧州WLTPモード)。

全面刷新されたインテリアでより高い質感を向上

エクステリア以上に変貌したのはインテリア。ダッシュボード、ストークレスデザイン、前席シートベンチレーション、後席用8インチタッチスクリーンの新採用など、フラッグシップセダンのモデルSのイメージを踏襲した大幅な改良が実施されている。

まずは最大のトピックとも言えるのが、ストークレスデザインだ。モデルSと同じくコラムから生えたストーク(ウインカーレバーとシフトレバー)を廃して、ウインカーはステアリングホイール上のタッチコントロールに、シフトは0.4インチ拡大されたタッチスクリーン上で行う方式に改められた。

また、ラップアラウンドインテリアと呼ばれる新デザインのダッシュボードからは従来型の木目調パネルが排され、代わってアルカンターラ系の素材がフェシアやドア内張に用いられている。

画像: ラップアラウンドによるすっきりとしたインテリア。LEDアンビエントライトは全256色からカスタマイズ可能だ。

ラップアラウンドによるすっきりとしたインテリア。LEDアンビエントライトは全256色からカスタマイズ可能だ。

さらにダッシュパネルからリアドアまで車室内を包み込むように配されたLEDアンビエントライトが上質感を強調。このライトは全256色の中から好みの色を選択可能だ。またセンターコンソールは、形状の小変更とともにドリンクホルダー部のフタの開閉方式も変更されている。

前席には、シートヒーターに加え新たにベンチレーション機能が追加された。後席には、空調コントロールとエンタテイメント系コンテンツが楽しめる8インチのタッチスクリーン(モデルSと同サイズ)が新設されたのもトピックだ。

フラッグシップモデルに迫る静粛性を実現

キャビンの静粛性もさらに向上した。まずは、従来シングルプライだったリアガラスが二重ガラスにグレードアップした。また吸音材や制振材を随所に追加、サスペンションの設計も見直された結果、風切り音や周囲の騒音を30%近く抑制し路面からの突き上げ音を25%、ロードノイズは20%削減するなど、ささやける静かなキャビンを実現したとのことだ。

この静粛性を活かすべく、車載オーディオもグレードアップされた。RWDグレードは、サブウーファーひとつを含む9スピーカーとシングルアンプの組み合わせ、ロングレンジAWDにはデュアルサブウーファーを含む17スピーカーとデュアルアンプを搭載。社外の雑音から切り離され、圧倒的な臨場感/サラウンド感で各種のコンテンツが楽しめる。

全体の印象としてはEVとしての基本性能(特に航続距離)を向上させながらも、より上質で使い勝手の良いインテリアの実現に注力した印象を受ける。また、リアに8インチモニターを追加したのは、ファミリーユースの拡大を意図したのだろう。

もっとも身近なテスラとして、世界中で大ヒットすることは間違いなさそうだ。なお、日本仕様は全車右ハンドルとなり、9月1日より受注を開始しており、納車は2023年12月から始まる。

【新型テスラモデル3 ラインナップ】
・Model 3 RWD(後輪駆動):561万3000円
・Model 3 ロングレンジ(デュアルモーターAWD):651万9000円
※価格は税込み

【新型テスラモデル3 主要諸元】(※欧州仕様)
・全長×全幅×全高:4720×1850×1441mm
・ホイールベース:2875mm
・車両重量:1765kg(RWD)/1828kg(ロングレンジAWD)
・乗車定員:5人
・トランク容量:合計682L
・航続距離(※WLTP):513km(RWD)/629km(ロングレンジAWD)
・最高速度:201km/h
・0→100km/h加速性能:6.1秒(RWD)/4.4秒(ロングレンジAWD)
※日本仕様スペックおよびWLTCモード値は国土交通省認可取得後に発表

This article is a sponsored article by
''.