2023年9月1日、株式会社チャレナジーが移動可能な風力発電を開発し、同月より東京ベイエリアの海の森水上競技場の陸上部にて実証実験を開始することを発表した。風向を選ばず作動するサボニウス型風車を採用している。

画期的!移動可能な風力発電機

従来の風力発電機は、しっかりと固定するためにコンクリート基礎や杭基礎が使われている。そのため一度設置したら当然のことながら移動させることはできず、災害時にすぐアクセスして使える非常用電源としては利用しにくい面があった。

そうした中、今回チャレナジーが発表した風力発電機は、少ない工数で組立、輸送、設置が容易な風力発電機の「置き基礎」を開発することで、必要に応じて移動することができる。

また、置き基礎を活用することで、移動が容易なだけでなく、脆弱な地盤でもすぐに設置できることも大きなメリットで、場所を選ぶころなく利用可能な風力発電機になると見込まれている。

今後の実証を通して、置き基礎の施工性や風力発電機の性能の検証を目的としたデータ取得を進め、ベイエリアや離島、アクセスの悪い中山間地域、避難施設、期間限定のイベント等で導入しやすい風力発電の実現を目指すそうだ。

風向に左右されないサボニウス型を採用

ところでこの風力発電はよく見かけるプロベラ風車タイプではなく、「サボニウス型」という、垂直に伸びた板状の風車が回転して発電する機構を採用している。これにより風速毎秒3メートルから発電でき、また風速が毎秒14.5メートル以上になると回転を止めて風を受け流すことで、従来のプロペラ風車で課題とされている強風時の暴走や破損を回避できるのも特長だ。

画像: 円筒形状で風向に左右されずに発電可能な「サボニウス型」のイメージ画像。

円筒形状で風向に左右されずに発電可能な「サボニウス型」のイメージ画像。

こうして発電性能と耐久性を両立しているわけだが、風車部に雪が付着しにくい特殊塗装を施すことで、冬季は太陽光発電の利用が難しい寒冷地での利用も視野に入れているそうだ。

仕様

画像: 仕様

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