ホンダが2020年10月に発売開始したコンパクトEV。クラシカルでキュートなルックスながら、そこに込められたアイデアは斬新かつユニークだ。新進を好むホンダらしいEVを紹介しよう。

インパネには5つものスクリーンを水平配置

まず目を引くのは、インテリアの左右いっぱいにまで広がるインストルメントパネル。ここに5つものスクリーンを水平配置している。世界初となる斬新なワイドビジョンインストルメントパネルだ。

中央に2つの12.3インチのワイドスクリーンを並べ、運転手の前にメータースクリーンを配置。左右の端には、サイドカメラミラーシステムが置かれる。ドアミラーではなく、カメラで撮影した後方をスクリーンに表示する方式が採用されている。

画像: ワイドスクリーンが並ぶユニークなインパネまわり。いかにも先進のEVらしいデザインと言えそう。

ワイドスクリーンが並ぶユニークなインパネまわり。いかにも先進のEVらしいデザインと言えそう。

2つ並んだ12.3インチのワイドスクリーンは、カーナビゲーションやアプリ、メニューなどを表示できるだけでなく、停車時に映画鑑賞として利用することも可能だ。走行中だけでなく、停車時にも利用するという、新たなEVの利用法を提案するものなのだ。

シティコミューターに徹した仕様

走行性能についても、「ホンダe」はユニークだ。駆動方式は、1つのモーターをリアアクスルに搭載する後輪駆動する。そして小さなボディサイズに可変ステアリングギアレシオを組み合わせることで、最小回転半径はわずか4.3mを実現している。街中での取り回しの良さは抜群だ。

また、モーターは最高出力113kW(154ps)/最大トルク315Nmという、エンジン車であれば3リッターV6並みのパワーを有する。これにより非常にキビキビと走ることができるのだ。

画像: コンパクトなボディに搭載バッテリーも容量も抑えたシティコミューター。最小回転半径は4.3mだ

コンパクトなボディに搭載バッテリーも容量も抑えたシティコミューター。最小回転半径は4.3mだ

さらに「ホンダe」は明確に「シティコミューター」を指向しているのも特徴的だ。そのため搭載するバッテリー容量は35.5kWhであり、一充電あたり走行距離が259kmとなっている。ロングドライブではなく、街中での利用を重視する内容となっているのだ。

ちなみに販売方法としてサブスクリプションサービス「Honda ON」が用意されているのもユニークな点だ。

【主要諸元 ホンダe アドバンス】
型式:ZAA-ZC7 寸法:全長3895×全幅1750×全高1510mm ホイールベース:2530mm 車両重量:1540kg 乗車定員:4名 最小回転半径:4.3m 電力量消費率:138Wh/km(WLTCモード) 一充電走行距離:259km(WLTCモード) 電池総電力量:35.5kWh モーター:最高出力113kW(154ps) 最大トルク:315Nm 駆動方式:後輪駆動 車両価格:495万円 CEV補助金:55.1万円

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