ブックレット『SMS:Seamless Mobility System』について
ブックレット『SMS:Seamless Mobility System』は、建築や都市の設計に携わる同社のアーキテクトらによる、モビリティ提案とそれにより変わる都市・建築の使われ方・人びとの過ごし方をまとめたもの。現在、掲載中の複数のモビリティで意匠権を申請中で、今後、実機開発や都市・建築の提案で導入を図るとのことだ。
Pod Bus(乗員数:1〜4名)
歩行者と街路を共有できるスケールのモビリティ。建物に設置した鉛直レールにドッキングすれば、路上から高層階までシームレスに移動でき、車椅子の乗り入れも可能となる。インクルーシブ社会の超高層ビルのあり方への提案でもあるという。
Trunkbot
高齢者や長時間の歩行が困難な利用者に寄り添うモビリティ。荷物を運んだり、一時的な座椅子となることで可能な限り、人が歩行運動することを支援・促進する。また、都市内物流の課題を解決する目的にも転用可能だ。
Non-Stop Shuttle(乗員数:複数名〜マストランジット/公共的な利用)
既存の広域公共交通がカバーできない「歩行圏内+α」の範囲で機能する「クルージング・モビリティ」。都市内の固定ルートを巡回する。
同様のフラットな床部のプラットフォームの「Mobility X Archi」は、自由に移動できる「動く建築空間」として、都市内の必要な場所で、必要な用途に応じて展開し、建物と接続させての利用も可能となる。
電動キックボード「Scooter PM01」
現在流通する電動キックボードとは異なり、折り畳み式によるコンパクト化を徹底。公共交通機関(バス・電車など)やビル内への持ち込み・持ち運びを「傘のように」容易とすることを目指している。
収納・充電機構も極小となり、ポートの設置が容易なことから、街路や建物の廊下など、屋内外をどこでも移動の拠点にすることができる。必要なときに、必要な場所ですぐに貸出・返却可能。目的地至近までモビリティの助けを借りて移動できる点が特長だ。
実機は3Dプリンタでのデザイン検証などを経て、コンセプト通りの薄型ボディにモーターとバッテリを搭載した、人を乗せて走行可能な状態に仕上がっている。
こうした可搬性を意識した、軽量・コンパクトな電動キックボードが普及すると、日本のモビリティ事情もがらりと様変わりするだろう。もっとも身近な電動モビリティとして電動キックボード開発を行う三菱地所設計を今後も注目していきたい。