路線バスの運行数減少はすでに始まっている
最近あちらこちらで話題に上っている、いわゆる2024年問題。2024年4月1日から施行される働き方改革関連法によって、自動車運転業務の年間時間外労働時間の上限が960時間に制限される。それによって長距離輸送に支障が出て、配送業務に遅延が発生する、という懸念だ。
さらに深刻なのは、バスなど地域の公共交通のドライバー不足が足元を揺るがしていることだ。高齢化の進展や少子化による人手不足と法改正が重なり、社会課題となってのしかかっている。
それらの社会課題の解決策として、自動運転などのモビリティ技術を活用した持続可能な公共交通・物流のニーズが急激に高まっている。2023年4月1日に改正道路交通法が施行され、自動運転レベル4に相当する遠隔操作型小型車の公道走行が解禁されるなど、モビリティ分野における技術開発や社会実装に向けた動きが加速している。
自動運転に関連するサービス、なかでも特定経路を走行する小型の自動運転シャトルバスは、すでに世界各地で実証実験やサービス化が進められており、日本でも一刻も早い社会実装が期待されている。
3社の得意分野を活かした提携が実現
NTT西日本は、情報通信技術(ICT)を活用した社会課題の解決に力を注いできた。国内外の革新的な技術を取り入れながら、社会や産業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)、地域におけるスマートシティの取り組みを通じて地域の活性化に取り組んでいる。
NTTビジネスソリューションズは、ICTを活用した地方自治体および法人ユーザーの事業価値向上のサポートを行っている。2022年10月からは、自治体・法人の業務車両のEV化に際して、その導入から運用、エネルギーマネジメントまでをトータルで支援するワンストップソリューション「N.mobi」の提供を開始している。
マクニカは技術商社として世界25か国で200台以上の販売実績を誇る仏NAVYAの自動運転EVバスの実証・実装を支援してきた。2023年4月には仏NAVYAの資産を引き継ぎ、仏GAUSSINとゼロエミッション自立型モビリティ開発を目的とした新会社GAUSSIN MACNICA MOBILITYを設立し、レベル4自動運転の社会実装に取り組んでいる。また、自動運転の運用に求められる遠隔モビリティ管理システムの提供や持続可能な事業モデルの設計など、自動運転を活用したモビリティサービスの実用化にも取り組んでいる。
それぞれ従来の活動範囲は異なるものの、それぞれが培ってきた強みを融合し、自動運転サービスの社会実装を通じた社会課題の解決および地方創生の実現を加速させるモビリティサービス創設に向けた協業を開始する。