本当の意味での "空飛ぶクルマ" ASKA A5
現在、ニュース等で取り上げられる空飛ぶクルマは、ほとんどが陸上走行はできず、有人飛行可能なドローンといったものになっている。しかし、今回ご紹介するASKA A5は、ナンバープレートを取得し、クルマとして陸上走行できる、真の意味での "空飛ぶクルマ" なのだ。
250マイル(約400km)の飛行航続距離を有し、米国DMV(自動車管理局)よりナンバープレートを取得し、地元シリコンバレーの公道において300マイル以上(約480km)のテストに成功している。
また、7月21日には連邦航空局(FAA)による認証書(COA)と特別耐空証明を取得して型式証明手続きを開始し、今後認定されればクルマと航空機の両方とも正式に認められた画期的な機体となる予定だ。
さらに、A5は垂直離着陸(VTOL)だけではなく、タイヤに搭載されたインホイールモーターとプロペラの推力および大きな主翼を利用し、通常の航空機のように滑走路を利用することでエネルギー消費を大幅に節約することも可能なため、状況に応じた離着陸オプションを選択できるのだ。
電動×エクステンダー機構で長距離飛行を実現
A5はパイロット1名、乗客3名の計4人乗りで、ヘリコプターのように垂直に離陸、小型飛行機のように飛行する。翼を格納するとSUV程の大きさになり、公道を走るとともに通常の駐車場に機体を駐車可能なので、保管場所の確保も容易だろう。
また、A5は飛行も走行も電動だが、バッテリーシステムに加えガソリンエンジンをレンジエクステンダーとして搭載している。これにより飛行中にバッテリーを充電することができるため実用的な約400kmの飛行航続距離を確保しているのだ。
最高飛行速度は時速150マイル(約240km/h)、1機あたり78万9000ドル(約1億1240万円)で2026年の商業化を目指している。すでに5000万ドル以上の予約が個人、企業、団体から入っているとのことだ。
このASKA A5が、社名のとおり "飛鳥(ASKA)" として、陸空両用移動のスタンダードとなるのか、今後も要注目である。