電動化を一気に加速、2030年にEV販売比率を50%に
6月21日に発足したスバルの新経営体制にとって初となる経営方針説明会。そこで示されたのは、従来の計画を大幅にアップデートした電動化計画だ。
2030年に全世界販売台数(120万台+α)の50%にあたる60万台をEV化するという大胆な戦略だ。従来の計画ではハイブリッド(e-BOXER)とEVを合わせて40%(EV単独で20万台)だったところから考えると、EV単独で50%(60万台)という目標設定はかなり衝撃的である。
スバルと言えば、水平対向エンジン(BOXER)とAWDという強烈な技術アイコンがある。もちろん、ガソリン車も継続生産されるが、内燃機関搭載車の多くが2025年から登場するトヨタハイブリッドシステムを採用する「次世代e-BOXER」。電動デバイスを持たないガソリン車の比率は今後急速に減っていくことは間違いない。
2028年に北米でEV40万台達成が目標
スバルに決断を迫ったのは、いうまでもなく「非連続な変化」、「従来にないスピード感」で変わる環境の激変だ。とくにスバルにとってメインマーケットである北米市場では、EVの普及が加速し、スタートアップも含めた異業種からの参入も相次いでいる。
つい先日も充電規格の統一や新たな充電網構築に関して衝撃的なニュースが飛び込んできたばかりである。2028年までに米国内のEV販売を40万台に引き上げる(従来計画では20万台)のは、そんな状況に対応するためだ。
さらにインフレ抑制法(IRA)の影響も相まって、従来は国内で生産予定だった次世代e-BOXER車両およびEVの一部を北米(インディアナ工場/SIA?)でも生産開始することも発表された。EV生産ラインを新設し、全世界の生産キャパシティは合計で120万台レベルに達する。