去る7月4日に本国で発表された「フィアット600e」、11月から生産が始まる次世代「MINIクーパーエレクトリック」、そして2024年の市販開始を謳う「ルノー5」。個性的でお洒落なコンパクトなBセグメントEVが続々登場し、いずれも2024年中には日本に上陸する可能性が高い。そんな小さいけれどもお洒落で存在感抜群のEVにスポットを当ててみた。(タイトル写真はMINIクーパー エレクトリック)

前衛的なのにどこか懐かしい、ルノー5

こちらも往年の名車の復活。2024年に発表を予定しているフレンチコンパクトの「ルノー5(サンク)」が面白そうだ。初代は1972年に登場し、3ドア/5ドアハッチバックを基本にさまざまなバリエーションを展開。続く2代目は1984年から1990年まで生産されこちらもベストセラーとなったが、後継となるクリオ(ルーテシア)にバトンタッチした(1996年までスロベニアで生産は継続)。

画像: 「ルノー5 プロトタイプ」。1972年に誕生した初代「5」のデザイン要素を現代の解釈で採用したレトロモダン。

「ルノー5 プロトタイプ」。1972年に誕生した初代「5」のデザイン要素を現代の解釈で採用したレトロモダン。

34年もの時を経て復活する3代目はEV専用車になる。日産とのアライアンスで開発された「CMF-B EV」プラットフォームを使用し、クリオ(日本名:ルーテシア)やキャプチャーとの共用部品を増やすことで、ライバルを圧倒するコストパフォーマンスを実現するという。つまり、走りの良さで定評のあるクリオやキャプチャーの運動性能はそのままに、EV化によるコスト増をできるだけ抑えてBセグメント屈指の価格競争力が与えられる。

市販モデルのスペックはまだ正式に発表されていないが、ルノー幹部のインタビューなどから判断すると、ボディタイプは5ドアハッチバックのみで、全長は現行クリオ(ルーテシア)よりわずかに短いもののホイールベースは逆に長く、コンパクトな外観からは想像できないほどの居住空間を実現できているようだ。前輪に100kW(136ps)を発生するシングルモーターを搭載し、40kWhまた52kWhのバッテリーで駆動する。後者の最大航続距離は400kmだ。

画像: 凝った偽装が施されたテスト車両。これが最終デザインだろう。プロトタイプよりやや大人しいが基本的なボディラインは踏襲されている。

凝った偽装が施されたテスト車両。これが最終デザインだろう。プロトタイプよりやや大人しいが基本的なボディラインは踏襲されている。

ルノーはコンパクトEVとして「Zoe(ゾエ:日本未発売)」をラインナップしているが、新しい「5」は製造コストをそれよりも30%近く抑えたという。最先端なのにどこか懐かしさを感じさせる、まさにエスプリの利いたデザインに惹かれる人も多いのではないだろうか。日本導入は2024年後半以降になる見込み。ライバルに想定しているのは、2025年に発表予定のフォルクスワーゲンのID.2か。

画像: アルピーヌ・バージョンの「A290」の開発も進んでいる。こちらは3ドアハッチの専用ボディを採用する可能性が高い(写真はプロトタイプ)。

アルピーヌ・バージョンの「A290」の開発も進んでいる。こちらは3ドアハッチの専用ボディを採用する可能性が高い(写真はプロトタイプ)。

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