モデル3のRWDが実質400万円台前半から購入可能に
値下げされるのは、ミッドサイズセダンの同じく「モデル3」とミッドサイズSUVの「モデルY」。この2車が大幅に値下げされるのは、1月に続いて2度目だ。1月の改定時はともに最大10%近くものセンセーショナルな値下げが実施されて驚かされたが、5月には調整が入って若干の値上げがあったばかりだ。今回は再び大幅な値下げが断行され、買い得感が高まったのは間違いない。
■モデル3の新価格 ( )は値下げ額
・RWD: 540万6000円→524万5600円(▲16万4000円)
・ロングレンジAWD:646万1600円→626万8600円(▲19万3000円)
・パフォーマンス: 722万1600円→700万5600円(▲21万6000円)
■モデルYの新価格( )は値下げ額
・RWD: 587万1600円→563万7000円(▲23万4600円)
・ロングレンジAWD:679万7600円→652万6000円(▲27万1600円)
・パフォーマンス:758万1600円→727万9000円(▲30万2600円)
今回の価格改定で、国(CEV)や自治体の補助金を活用すれば、モデル3のRWDは例えば東京都在住ならば413万5600円で購入可能となる(CEV補助金:65万円+東京都独自の補助金:45万円を利用したとして試算した車両本体価格)。
圧倒的な価格コントロール力を支えているもの
自動車も含めあらゆるものが値上がりしている昨今に値下げというのは、なんとも魅力的である。自動車というのは、メーカーが決めた希望小売価格をベースに、販売奨励金やモデルチェンジ時期なども考慮して、最終的にはディーラーとの駆け引きで買うのが一般的な認識だろう。
以前に比べ、大幅な値引きというのはなくなりつつあるが、それでも決算や在庫状況、モデルチェンジの時期など、ディーラー店頭での駆け引き次第で、有利な条件を引き出せることもある。
しかし、テスラはネット販売だ。営業スタッフとのコミュニケーションではなく、あくまで都度の収益性や経営戦略に基づいて価格が決定されている。
それにしても、日本に限らずテスラは世界中で値下げ攻勢をかけている。上述の通り、実店舗をほとんど持たず、マージンや固定費が最小限で済んでいる。さらに、開発から生産の過程で外部のサプライヤーの介在も最小限に抑えているもの大きい。
つまり、サプライチェーンや世界中の市場の動向に応じた価格コントロールが容易なのだ。もちろん、値引きは短期的な利益率を引き下げる。それをもって、テスラは利益を食いつぶしていると指摘する投資家や株式市場関係者も少なくない。
とは言え、一台あたりの利益率は、あのトヨタの数倍にも及ぶという。旧来の自動車ビジネスとはかけ離れているのが、テスラのビジネスモデルなのである。