2023年7月4日、「WeCharge」というネーミングでEV充電サービスを展開するユビ電が、福岡市の分譲マンション駐車棟の全429区画に個別に充電できるインフラを導入すると発表した。EVの普及促進には既存マンションへの充電施設の設置が不可欠と言われているだけに注目される事業だ。
EV充電意外にも大きなメリットがある
ユビ電株式会社が展開する「WeCharge」は全国のマンション、アパート、ビルに設置されつつあるが、2025年末までに累計8万口の充電設備の導入を目指しているという。
今回の取り組みはその一環で、2020年から2022年にかけて順次竣工となった福岡市アイランドシティの大規模分譲マンション、「フォレストプレイス香椎照葉ザ・テラス」の駐車棟全429区画にEV充電インフラが2023年末までに導入される。
このEV充電インフラはEV、PHEVオーナーが自分の都合で好きなときに好きなだけ充電できるのはもちろんだが、さらに大きなメリットを見込んでいる。
EVを蓄電池と見立てた場合、現時点でこのマンションには約500kWhの容量があるという。それがこれからEV充電サービスを開始することでEVユーザーが多くなれば、蓄電池容量も増え、2030年にはマンション全体の蓄電池容量は20倍の10,000kWhにまで拡大する見込みとのことだ。
そしてこの蓄電能力を活用して、エネルギー需給の調整や利用者間でのエネルギー調整などのグリッド負荷を抑制できる制御の実現とサービス化にも取り組むというのだ。
これはまさにスマートシティならぬ、次世代のスマートマンションと言えるものだろう。マンションの“スマート化”についてのひとつのお手本となりそうなこの事業、今後の動向に注目したい。