交通系IC「Suica」が、各改札機での自立計算システムからサーバー処理システムに移行する。5月27日から、北東北3エリア(青森・盛岡・秋田)の45駅で導入され、首都圏・仙台・新潟エリアは、夏以降に順次導入予定。

運賃計算処理が改札機からサーバーへ

現行のSuicaでは、鉄道利用時の運賃計算処理を各駅の自動改札機が担当。各カードの利用状況は、自動改札機から駅のサーバーを介してセンターサーバーへ共有する仕組みとなっている。つまり、運賃計算に関しては各改札機だけで処理が完結していた。

この方式は、ローカル処理システムなので、通信回線の障害などによらず、運賃計算処理が実行できるというメリットがある。一方で、ICカード自体の記憶容量に限界があり、Webやスマホとの親和性が低いという課題もあった。

今回のシステム変更では、この運賃計算処理を改札機ではなくセンターサーバーに移行することで、サービス機能の拡張性を向上、処理スピードの向上に伴う複雑な計算の実行、改修作業の工期短縮とコストダウンが見込まれる。

画像: 改札機の“クラウド化”により、進化した改札処理を行うことが可能に

改札機の“クラウド化”により、進化した改札処理を行うことが可能に

また、サーバーでデータを管理できる特性を生かした、新しいSuicaサービスの提供を目指している。東北エリア・新潟エリア・首都圏エリアを東日本エリア運賃とするなどのSuicaエリアの統合、時間帯や曜日などの利用条件で運賃の割引クーポンを提供するなどの柔軟な割引商品の提供、鉄道沿線の商業施設やイベントと融合したクーポンの提供、旅行など目的地の交通や観光で使えるチケットをセットで購入できるMaaSサービスを提供する予定だ。

さらに、Webやスマホとの親和性が向上し、Suicaを利用したチケット購入や、会員向けサービス拡充、業態をまたがる柔軟な商品設定などが可能になり、よりSuicaを便利に使えるようになるとしている。

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