注目はAIアシスタンス「エポロ」
世界初公開となった日産「Arizon」は、中国で長年の協力関係にある東風汽車とともに中国市場のニーズに照準をあてて開発されたEVコンセプトカーだ。
日産が長年培ってきたEVへの知見や技術を投入。多用化しているユーザーのライフスタイルに合わせながら、デジタルと現実の世界を融合した新次元のEV体験を提供する。
エクステリアデザインには日産SUVらしさを巧みに取り入れており、観音開きの前後ドアを採用して広大な開口部と開放感を実現。インテリアデザインは、ハイテク感の中に温かみのある造形と素材を絶妙に組み合わせている。調光可能なサンルーフやピラーレスのボディ構造による解放感も相まって近未来の日産SUVを表現している。
注目すべきは、AIアシスタンス「エポロ(EPORO)」の搭載だ。かつて日産は「CEATEC JAPAN 2009」に自動運転時代の到来を見据えた先進運転支援機能を搭載した同名のロボットカーを展示して話題になったが、そのコンセプトがバーチャルパーソナルアシスタントに進化して、ついにクルマに実装された。
14年の時を経て登場した「エポロ」は、運転支援にとどまらず、時間や天気、その他のデータを活用しながら、まるで人間のように乗員と対話し、必要な情報を提供するという。
さらには、クルマが乗員を認識し、それぞれの好みに合わせて照明を自動調整する最先端システムも採用。レジャー、リラックス、睡眠、サプライズなどの直観的なモードで照明の雰囲気を自動調整することで、プレミアム感あふれる車内空間を演出する。
日産は2021年11月29日に発表した長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」に基づいて、2026年度までに中国におけるEVとe-POWER搭載車の販売比率を40%まで引き上げる。今回出展されたモデルで、そうした日産の姿勢を改めてアピールしたと言えるだろう。
最高執行責任者(COO)であるアシュワニ グプタ氏は「中国は、世界で最も先進技術への受容性が高い市場のひとつです。そして、市場やお客さまのニーズの変化は急速で、電動化やコネクテッドカーサービスの分野では世界をリードしています。今後さらに高まる電動化やサステナビリティへのニーズに、日産はしっかりとお応えしていきます」とコメント。今後も中国マーケットに積極的に取り組んでいくことをコミットしている。