レクサスから新型モデル「RZ450e」が2023年3月30日に発売となった。これは昨年の4月に発表されているレクサスとして初のEV専用モデルだ。発表から約1年となり満を持しての発売となった。また、発売を記念して最初の500台は特別仕様車「First Edition」も設定された。

前後輪のモーターを巧みに制御して優れた操縦性を実現

レクサスは2005年に発売した「RX400h」以来、数多くのハイブリッド車をリリースし、ラグジュアリー市場における電動化の先駆者となっていた。そして2019年にさらなる電動化を進める電動化ビジョン「Lexus Electrified」を発表。2021年12月にトヨタの発表した「バッテリーEV戦略に関する説明会」においては2030年までにすべてのカテゴリーにEVを揃え、2035年にはEV専用ブランドになることが予告されている。

そうした電動化の歩みの中で重要なマイルストーンとなるのが、今回、発売となるレクサス初のEV専用モデル「RZ450e」だ。

特徴はEV専用プラットフォーム「e-TNGA」に新四輪駆動システム「DIRECT4」を搭載したこと。また、ボディ骨格にはレーザースクリューウェルディング(LSW)や構造用接着剤、レーザーピニング溶接技術、高剛性発泡剤などを積極的に採用。グレードによってボディ前後にパフォーマンスダンパーを装着。高剛性かつ軽量なボディを実現した。

画像: レクサスのEV専用モデル「RZ450e」には、EV専用となる「e-TNGA」プラットフォームが採用されている。

レクサスのEV専用モデル「RZ450e」には、EV専用となる「e-TNGA」プラットフォームが採用されている。

その結果、高剛性で軽く、しかも低重心・低慣性モーメントという資質の良さを生かし、優れた操縦安定性と快適な乗り心地を高い次元でバランスさせている。また、EVということでレクサスの伝統でもある優れた静粛性をも実現している。

パワートレーンとしては前後車軸にモーター/トランスアクスル/インバータを一体化した「eAxle」を搭載。フロントモーターの出力は最高出力150kW(204ps)/最大トルク266Nm、リアは80kW(109ps)/最大トルク169Nmとなる。

この2つのモーターを前輪:後輪=100:0〜0:100に変化させる。発進加速時は60:40〜40:60、コーナーリングの入口では75:25〜50:50、出口では50:50〜20:80など、シチュエーションにあわせて繊細に出力を制御するのだ。

搭載するリチウムイオンバッテリーの容量は71.4kWh。満充電からの航続距離は約494km(WLTCモード)を実現した。10年後でも90%以上という世界トップクラスの電池容量維持率を提供するという。

充実装備の「First Edition」は注目もの

デザイン面の特徴は新表現である「スピンドルボディ」の採用だ。これは大きな開口のグリルを必要としないEVならではの特性を生かしたもので、スピンドルをグリルではなく、立体の塊で表現するもの。グリルレスなのに、スピンドルグリルが存在するように見せる手法だ。

ボディ寸法は、全長4805×全幅1895×全高1635mm。ホイールベースは2850mm。長いホイールベースの四隅に最大20インチの大径ホイール&タイヤを装着するフォルムが走りの良さを予感させ、低く構えたノーズからキャビン後方にピークを持っていくサイドシルエットは居住性の良さを演出する。

室内空間としては、ロングホイールベースを生かして、前後乗員のカップルディスタンス1000mmを実現。特に後席の足回りの広さは特筆ものだ。また、バイオ素材を約30%使用したウルトラスエードをシートや室内オーナメントに採用。レクサスらしい上質なおもてなし空間を生み出している。

画像: レクサスのEV専用モデルとなる「RZ450e」のインテリア。「Tazna Concept」を元にデザインされている。

レクサスのEV専用モデルとなる「RZ450e」のインテリア。「Tazna Concept」を元にデザインされている。

先進運転支援システムとして「レクサス・セーフティ・システム+」を搭載。より幅広い運転状況での操作サポートを行うプロアクティブドライビングアシストやドライバーモニターと連携した、早く的確な運転サポートなどが行われる。

また、高度運転支援技術「レクサス・チームメイト」の新機能である「アドバンスドトライブ(渋滞時支援)」と「アドバンストパーク(リモート機能)」を採用した。

「アドバンスドトライブ(渋滞時支援)」は渋滞時に一定の条件をクリアすると、ステアリングから手を離す、いわゆるハンズオフを可能とする運転支援機能のこと。「アドバンストパーク(リモート機能)」は、車外から専用スマートフォンアプリを使って、遠隔で駐車・出庫をリモート操作できるというもの。どちらもレクサスの最新の運転支援機能となる。

今回の「RZ450e」の発売を記念して用意されたのが限定500台となる「First Edition」だ。ボディカラーは専用配色となるバイトーン2種を設定した。エクステリアでは専用ブラック塗装20インチホイールを装着。インテリアではオラージュとブラックの専用カラー配色を採用した。ステアリングホイールへの特別仕様専用車の印字と、センターコンソール部に特別仕様専用プレートが装着されている。

車両価格は「RZ450e “Version L”」が880万円。特別仕様車の「RZ450e “First Edition”」が940万円となっている。

●著者プロフィール
鈴木 ケンイチ(すずき けんいち)1966年生まれ。國學院大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て独立。自動車専門誌を中心に一般誌やインターネット媒体などで執筆活動を行う。特にインタビューを得意とし、ユーザーやショップ・スタッフ、開発者などへの取材を数多く経験。モータースポーツは自身が楽しむ“遊び”として、ナンバー付きや耐久など草レースを中心に積極的に参加。

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