電動キックボードでの移動は基本的にラストワンマイルが想定されている。しかし、それ以上の距離を利用するとどう感じるのか、気になったことはないだろうか。今回は長距離走行してわかったメリット、気になる点をレビューする。

電動キックボードの感想

今回の検証では、東京都内地区にて約8km・1時間10分走行した。

電動キックボードの利用方法はとてもシンプル。スマホアプリの操作に慣れている方なら、説明を読まなくともすんなりと利用開始できるだろう。ちなみに、スマホホルダーが標準装備されている。

走行面に関しては、都内だと交差点も多く、15km/hしか出せず、自転車と異なり、歩道に自転車走行可の標識があっても走行できないということも相まってほぼすべての信号で停止することを考えると、蹴り出す回数は意外と多い。

また、15km/hまではとてもスムーズに加速するのだが、15km/hに到達した瞬間、急激にパワーを絞る制御であるため、後続車には要注意である。きちんと第一通行帯(一番左側の車線)の左側を走行していても、すぐ脇をビュンビュンと追い越されるので、転倒しないように気をつけないといけない。

加えて、前述の最高速15km/hの制約と、小回り右折についてはかなり気を遣う。上下2車線道路の右折でも、ウィンカーに気づかない後続車との接触のリスクを感じた。上下4車線以上の小回り右折はほぼ無理なので、「LUUP」公式サイトにある、横断歩道を用いた特殊2段階右折を強く推奨する。

画像: 中央に速度メーター、左にスマホホルダー、右にバックミラーを備える。

中央に速度メーター、左にスマホホルダー、右にバックミラーを備える。

さらに、右側にバックミラーが搭載されているが、停車時と走行時では“利用者の目線の高さ”が異なるため、注意が必要だと感じた。つまり、停車時にはキックボードから降りているので低い目線になるが、走行時にはキックボードに乗車している分目線の高さが上がるので、停車時にミラーを合わせると走行時に見えず、走行時に合わせると停車時に見えないというジレンマに陥るのだ。

停車時は振り返って後ろを確認できるので、走行時の目線に合わせる方が妥当ではないだろうか。いずれにしても、こうした目線の高さが変わることを想定したミラーが採用されることを期待したい。

もちろん、電動キックボードはそうした交通量の多い場所での利用ではなく、電車・バスのルート外の穴を埋める存在として導入されている。今回の検証のように、公共交通機関を用いずに電動キックボードのみで移動するというのは利便性の面で考えるとメリットは薄いが、新しい乗り物を楽しむという点では満足だった。

返却時は緑色の駐車枠内に入れて、証明用の写真を撮影する必要があり、その写真をアプリ上で提出したら返却完了となる。

画像: 駐車枠内にきちんと返却したことを示す写真を提出する必要がある。

駐車枠内にきちんと返却したことを示す写真を提出する必要がある。

ちなみに、気になる利用料金は1100円。電動キックボード・電動アシストともに同一料金プランとなり、距離料金ではなく時間料金制で、ライド基本料金50円+15円/分。電車だと178円、タクシーだと3000~3400円程度であることを踏まえると、料金的にも基本的に電車・バスで最寄りまで来てから、残りの距離を埋める存在として価格設定されていることがおわかりいただけると思う。

電動アシスト自転車の感想

帰路では、電動アシスト自転車を利用し、先ほどのルートを逆方向に約8km、45分走行した。

電動アシスト自転車の利用方法もシンプル。こちらも電動キックボード同様にスマホホルダーを装備しているが、緩め方には注意が必要。ホルダー下部にレバーが配置しており、下に下げると固定、上げると緩む仕組みなっている。

電動アシスト自転車は、自転車も通行可能な歩道を走行でき、モーターのアシストも24km/hまであるので、機動力、汎用性の面で電動キックボードより使い勝手が良いかもしれない。また、電動キックボードにはない「カゴ」もあるので、荷物が重い場合でもラクに移動できるのはメリットと言える。

画像: 自動点灯式のヘッドライトと小ぶりなカゴを標準装備。

自動点灯式のヘッドライトと小ぶりなカゴを標準装備。

ただし、漕ぎ続けないと停止してしまうので、信号が少なくノンストップでいける場所では電動キックボードの方がラクに移動できる可能性がある。とはいえ、モーターアシストにより発進、坂道でも疲れずスイスイ進めるので、そこまで心配はいらないはずだ。

利用料金は、基本料金50円+15円/分×45分=725円であった。

「LUUP」における、電動キックボードと電動アシスト自転車の比較

近距離の移動であれば、電動キックボードにも漕がなくて済むメリットがあるが、最高速が低いことや特別な交通ルールによって長距離になるほどそのアドバンテージは失われる。一方で、電動アシスト自転車は漕ぎ続けなくてはならないが、そのぶん高速で荷物をカゴに入れて移動でき、自転車通行可能な歩道も走行できるというメリットがある。

「LUUP」を利用するという観点で言えば、値段的・所用時間的にも電動アシスト自転車の方に軍配が上がる。ただし、7月の法改正後には、最高速が15km/hから20km/hに上昇し、二段階右折に加えて条件付きで歩道走行もできるようになる(ただし、歩道走行モード時は時速6kmの制約あり)ため、今後電動キックボードのアドバンテージが広がる可能性がある。

また2023年4月30日10:00まで、朝6時~10時の間は何度利用しても60分間無料となるキャンペーンが開催されるそうなので、朝の通勤時間などにさりげなく使ってみて、そのメリット・デメリットを実感してみてほしい。また、それ以外の時間帯でも、新規ユーザークーポンで30分間無料トライができるので、この機会に試してみてはいかがだろうか。

This article is a sponsored article by
''.