再使用型ロケットは打ち上げコスト低減効果が見込まれている
ロケットには、毎回ゼロから機体を製造する使い捨てロケットと、繰り返し使える再使用型ロケットの2種類がある。このうち、再使用型ロケットは打ち上げコストを大幅に低減できる可能性があることから、世界各国で研究・開発が進められている状況だ。
日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)も将来の基幹ロケットの再使用化を目指し、ドイツ・フランスと共同で、1段再使用飛行実験プロジェクト「CALLISTO(カリスト)」を進めている。今回の小型実験機「RV-X」を用いた飛行試験は、そのフロントローディング研究活動の一環として実施された。

「RV-X」機体概略図。(画像:JAXA)
RV-Xは、三菱重工業との共同研究プロジェクトで、JAXAが過去に培った再使用ロケットの開発成果も最大限活用されている。再使用ロケットの究極的な目標は、航空機のように同一機体で高頻度にフライトを行うことであり、RV-Xを通じてその運用方法を確立することは将来の基幹ロケット再使用型化に向けた重要なステップとなる見込みだ。
RV-X開発の歩み
RV-Xは2016年に開発開始され、エンジン燃焼試験、落下試験といったステップを経て、少しずつプロジェクトを前進させてきた。
2018年夏に行われた第一次地上燃焼試験で、機体運用の基本手順を確立するとともに、エンジン性能のデータを取得し、2020年から2021年にかけて行われた第二次地上燃焼試験では、推力方向制御の基礎データや燃焼中の振動データなどを取得。

2018年に実施された第一次地上燃焼試験の様子。(画像:JAXA)
ほかにも、着陸脚の衝撃吸収性能を確認するための落下試験、機体の姿勢制御を模擬するモーションテーブル試験、運用手順を確立するため、実際の実験機を用いて整備運用、機体移動、射点設置などの作業を行う試験などが実施されている。
そして今回、再使用型ロケットの要素技術とシステムの健全性を検証するための飛行試験が行われた。RV-X は正常に飛翔し、約40秒間の飛行で最高到達高度約11m、水平移動距離約16mを達成して無事着陸に成功している。

着陸の瞬間。(JAXA公式動画より)
試験で得られたデータは、一連の試験終了後に評価解析が行われて、JAXAのウェブサイトなどで公開される予定だ。
【2026年7月21日追記】
また、JAXAは飛行試験データ詳細評価の結果、当初予測されていたとおりの成果が得られたため、RV-X飛行試験シリーズを終了すると発表した。RV-X飛行試験により得られた成果・知見は、1段再使用飛行実験(CALLISTO/カリスト)プロジェクトをはじめ、今後の再使用ロケットに関する研究開発に活用していく方針だとしている。
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