唯一無二のペダル付き特定小型原付を販売してきたENNEが現在、ペダル付き特定小型原付の集大成モデルを開発しているようだ。従来モデルでは、ペダルはあくまでも補助発電機能として搭載されており、人力で直接駆動できなかったが、新モデルはペダルで直接車輪を駆動できる「モペッドタイプの特定小型原付」として登場する。

ENNEは唯一無二のペダル付き特定小型原付を手がけている

16歳以上であれば免許不要で運転できる特定小型原動機付自転車(以下、特定小型原付)は、法律の規定により「最高速20km/hを超えて加速できない車体」である必要がある。つまり、モペッド(※)のようにペダルのみで車体を駆動できてしまうモデルは、人力で20km/hを超えて加速できてしまうため存在が認められてこなかった。

※モペッド:ペダルを漕ぐことで車輪を駆動すること、また搭載したモーターだけで駆動すること、この両方を可能にするいわゆる「ペダル付き電動バイク」のこと。スロットル操作だけでペダルを漕がずに走行できることから、電動アシスト自転車とは異なり原付一種以上のバイクに分類されている。

一方、ENNEは国土交通省制定の「性能等確認制度」をクリアし、車両の安全性が公的に証明されている特定小型原付区分のペダル付き電動バイク2機種「T350 Pro」と「T600GR」を販売している。

この2モデルには、「自転車のようにペダルを漕いで発電できる」システムが搭載されており、発電した電気はコンバーターを介して駆動モーターに直接供給される=ペダルの動力を直接駆動に利用しないことで「ペダル付きの特定小型原付」を実現していた。

画像: 従来モデルでは、チェーンが後輪に直結しておらず、発電機を回すように設計されている。

従来モデルでは、チェーンが後輪に直結しておらず、発電機を回すように設計されている。

カタログスペックだとバッテリーのみでの航続距離は最大70km、ペダル発電込みだと最大140kmとなり、特定小型原付でもトップクラスの航続距離を誇るモデルと言えるだろう。

モペッド×特定小型原付という矛盾をモーター制御技術で解決

ENNEは現在「モペッドタイプの特定小型原付」の実現を目標として、次世代モデルの開発に取り組んでいる。完成すれば、従来は存在しなかった「ペダルで車輪を直接駆動できる特定小型原付」となる。では、特定小型原付の規格上不可能な駆動システムをどうやってクリアして搭載するのか、そのキモとなるのはモーターの制御システムだと言われている。

まだ開発中だという試作車には、20km/hを超えて加速できないようにする「短絡ブレーキ(発電制動)システム」が組み込まれており、「車速20km/h以上の状態で、さらに加速の意思を持ってペダルを漕ぐ」と自動で車速が制御される。具体的には、モーターに逆向きの電流を流し、ペダルの回転を妨げる負のトルクを最大89Nm発生させることで、それ以上加速できないようにする仕組みだという。

画像: 新モデルではチェーンを通じてペダルで直接的に車輪を駆動できる「モペッド型」にアップデートされる。

新モデルではチェーンを通じてペダルで直接的に車輪を駆動できる「モペッド型」にアップデートされる。

この89Nmという数値は、クルマだとダイハツの軽バン「アトレー」の最大トルクとほぼ同じ。つまり、人間の脚力以上の負荷をかけて、20km/hを超えて加速できないようにすることで、特定小型原付の規定をクリアしようとしているわけである。

ペダルで直接車輪を駆動できることにより、電動アシスト自転車と同等レベルの長距離走行が可能となり、さらにバッテリー残量が少ない場合でも「アシストなしの自転車」のように走行を継続できるようになる見込みだ。同モデルは、人力走行、人力+モーターのハイブリッド走行、完全電動のバイクモードを切り替えできる「史上初の特定小型原付モペッド」として注目されることだろう。

ちなみに、独自情報を勘案すると車両価格は定価32万円の「T600GR」と同程度、発売時期については今春ではないかと予測される。気になる人は今後発表されるであろう公式の詳報・続報を待とう。

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