2026年2月24日、三菱地所、スカイドライブ、兼松の3社は東京都と連携し、東京ビッグサイトにて空飛ぶクルマ「SKYDRIVE(SkyDrive式SD-05型)」のデモフライトと旅客ターミナル運用実証を公開した。2028年の商用運航開始を見据え、地上設備と機体運用を統合した本格的な検証が開始されたことになる。

空飛ぶクルマ専用のミニ空港「バーティポート」を検証

空飛ぶクルマの普及において、機体開発と並んで不可欠なのが垂直離着陸用発着場「Vertiport(バーティポート)」の整備である。

2026年2月24日、三菱地所、スカイドライブ、兼松の3社と東京都が連携し、東京ビッグサイト臨時駐車場の一角に仮設のバーティポートと旅客ターミナルを設置。国内初となる空飛ぶクルマの実運用を想定して、チェックインから搭乗までの一連の流れを検証する実証が開始された。

三菱地所が実証の全体統括および旅客ターミナルの設計、兼松がターミナル運営システムの導入と検証、スカイドライブが空飛ぶクルマの機体開発を担当する形で、空飛ぶクルマのデモフライトのみならず、空域監視システムや旅客ターミナルの運営など、旅客運航にあたっての一連の流れ全般を検証するという。

画像: 旅客ターミナルを備えたバーティポートで、空飛ぶクルマの地上オペレーションを検証する。

旅客ターミナルを備えたバーティポートで、空飛ぶクルマの地上オペレーションを検証する。

旅客ターミナルは、東京都の建築規制や東京ビッグサイトの制約に適合させるため、移動可能なトレーラーハウス型を採用。サイズは縦7×横12×高さ3m、延べ床面積はわずか54平方メートルとコンパクトだ。しかし、その内部には空港のターミナルビルに相当する5つの機能が凝縮されている。

画像: 旅客ターミナル全体イメージ。

旅客ターミナル全体イメージ。

ギャラリーエリア:空飛ぶクルマに関する展示を配置し、情報提供する
デッキエリア:露天の展望スペースで、バーティポートを眺めることができる
保安検査エリア:顔認証システムによる自動チェックイン、保安検査等により、スムーズな搭乗受付を実現
ラウンジエリア:搭乗前の待合スペース。周辺交通機関の運行状況や機内安全ビデオをディスプレイに表示する
オペレーションルーム:バーティポートの着陸エリア、駐機スポット、設備等の空き状況、周辺空域監視による運航支援、旅客のチャックイン管理などを実行

顔認証と体重測定の自動化で「スマートな搭乗」を実現

同ターミナルの持つ機能のうち、最大の特長と言えるのは、徹底したデジタル化によるスムーズな搭乗手続きだ。

利用者は事前に顔情報を登録しておくことで、センサーに顔を近づけるだけでチェックインが完了するだけでなく、チェックインと同時に体重測定も行われる。これは空飛ぶクルマの安全運航に欠かせない「機体重心バランスの調整」をリアルタイムで行うための仕組みであり、乗客に負担を感じさせないスマートな設計となっている。

画像: 足元の体重計に乗り、顔をセンサーに近づけると一瞬でチェックインが完了する。

足元の体重計に乗り、顔をセンサーに近づけると一瞬でチェックインが完了する。

保安検査では金属探知機によるチェックが行われ、問題がなければラウンジへと進む。これら一連のオペレーションは、事前に募集した計100名のモニターに実際に体験してもらい、実用化に向けた課題の洗い出しが行われる予定だ。

将来は少し高めのタクシー感覚で乗れるように

実証のもうひとつの目玉であるデモフライトでは、無人機を遠隔操縦する形で、東京湾の上空13mを4m/sで150m飛行し、無事に着陸した。

この時感じた空飛ぶクルマのメリットは、静音性の高さだ。ヘリコプターに比べてローター音が小さく、着陸後もアイドリングなしで即座に回転を停止できるため、騒音規制の厳しい都市部での運用において大きなアドバンテージを有している。

画像: 電動でヘリコプターよりも静かに飛行できるので、静音性が求められる都市部上空での運航もしやすい可能性がある。

電動でヘリコプターよりも静かに飛行できるので、静音性が求められる都市部上空での運航もしやすい可能性がある。

スカイドライブは2028年の商用運航開始に向け、日米の航空当局による型式認定の取得を進めている。運賃について、同社CEOの福澤知浩氏は以下のようなロードマップを描いているようだ。

2028年(サービス開始時):ヘリコプターと同等レベルの料金設定
2030年度以降:タクシー運賃の2倍以下での提供を目指す

ちなみに、今回の実証は2026年2月24日から同月28日にかけて、デモフライト、旅客ターミナルともに一般公開されている。気になる方はぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。

画像: 実証の公開スケジュール表

実証の公開スケジュール表

手軽に利用できるバーティポートが街中に整備されれば、「誰もが」、「少し高めのタクシー程度の料金で」、「空を移動できる」・・・そんな日はもはや遠い未来の話ではなく現実味を帯びてきたと言えるだろう。東京ビッグサイトでの実証は、2028年の商用運行開始に向けた空飛ぶクルマのインフラ整備の第一歩として注目されている。

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