2025年12月23日、将来宇宙輸送システムは米国でのASCA 1.0ミッションの中止を発表した。今後は自社エンジンを開発し、国内での離着陸実証を経て2027年度内に打ち上げ実証を行う方針だ。

自社エンジン開発・国内打ち上げ実証に計画を変更

将来宇宙輸送システム(ISC)は、宇宙往還を可能にする輸送システムの構築を目指す日本のスタートアップ。2020年代後半には人工衛星打ち上げ用の再使用型宇宙輸送システムを完成させ、2040年までには国際競争力のある有人宇宙輸送システムを実現することを目標としている。

同社はこれまで、アメリカ企業からエンジンを調達し、米国連邦航空局(FAA)の許可を得て実験を行う「ASCA 1.0ミッション」を進めていた。

画像: アメリカで実験予定だった「ASCA 1.0」のイメージ。

アメリカで実験予定だった「ASCA 1.0」のイメージ。

しかし、現地の認可手続きに時間を要することや、米政府の閉鎖による業務停止といった不確実な要因が重なり、2026年3月までの飛行実証が難しくなってしまったため、米国での離着陸試験を行う計画を中止する判断を下した。

一方、液体メタン燃料を用いたロケットエンジンの自社開発において一定の成果を得られていることや、包括連携協定を締結した荏原製作所よりロケットエンジン用電動ターボポンプの実液試験を完了したという報告を受けたことなどを踏まえ、国内で開発するロケットエンジンを用いた離着陸試験に計画を変更。

画像: 北海道スペースポートからの打ち上げが検討されている「ASCA 1.2」のイメージ。

北海道スペースポートからの打ち上げが検討されている「ASCA 1.2」のイメージ。

今後、国内で開発するロケットエンジンを用いて人工衛星打ち上げ用ロケットの開発を進め、2028年3月までに北海道スペースポート(HOSPO)での人工衛星打ち上げ実証を目指すとしている。

This article is a sponsored article by
''.