バスの運賃支払いにもキャッシュレス化の波が到来
バス業界では近年、ドライバー不足が深刻化しており、バスネットワークの維持と経営改善、ドライバーの負担軽減が急務とされている。
国土交通省が推進する「完全キャッシュレス化」は、現金の取り扱いが不要となることで、ドライバーの業務負担が軽減され、人材不足への対応と運用効率化が期待できる。また、乗降時間の短縮による運行定時性の向上や、デジタル技術を活用した利用履歴管理、モバイルデバイスによるサービス提供など、利用者の利便性向上にも寄与する。
さらに、現金を取り扱う運賃機器の維持管理や更新にかかるコストも削減され、大きな経営改善効果が見込まれる。
京王電鉄バスグループは、2008年度の交通系ICカード導入を皮切りに、交通系ICカード全国相互利用サービスの導入や、金額式IC定期券「モットクパス」の発売、さらにモバイルのPASMO、Suicaでの定期券発売に対応してきた。
2024年度には、国土交通省の実証運行である『完全キャッシュレスバスの実証運行』に参画し、「調布駅南口~味の素スタジアム」「武蔵小金井駅南口~味の素スタジアム」「新宿駅西口~味の素スタジアム」の各路線において、完全キャッシュレスバスの実証運行を実施するなど、完全キャッシュレス化に向けた取り組みを積極的に進めている。
今回の実証では、調布営業所管内の路線で先行的に完全キャッシュレスバスを運行開始する。その後、2027年度以降の現金取扱終了を目標に、全営業所に実証路線を拡大していくというので、利用客の準備猶予期間に突入していると言えそうだ。

今回の実証から順次完全キャッシュレス化に移行していく方針だ。
支払い方法は交通系ICカードに加え、クレジットカード等のタッチ決済、定期券、企画乗車券などに対応する。現在、現金で運賃支払いを行なっている人は心の準備も含め、早めにキャッシュレス決済に慣れておくと良いかもしれない。
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