2025年6月26日、OceanWings(オーシャンウィングス)は、風力補助推進技術を導入した貨物船「Canopée(カノペ)」における2年間の風力補助運航での燃料節減効果を発表した。同社によると、1日あたり最大2MW相当の燃料削減を記録し、商業船への風力推進技術の可能性が示した形となる。

脱炭素時代に帆船が復活。省エネな補助動力として風力の可能性広がる

「Canopée(カノペ)」はアリアングループの手がける最新ロケット「アリアン6」の部品を輸送するための貨物船で、フランスから仏領ギアナへ「アリアン-6ロケット」の部品を運搬するために開発された。

船体に搭載された4基のウイングセイル「OceanWings(オーシャンウィングス)」が最大の特徴で、さながら現代版の帆船といったユニークなスタイリングが印象的だ。通常動力に加えて、風力も補助動力として有効活用することにより、燃料消費量を減らす狙いがある。

画像: 4本の柱にそれぞれ帆を展開するスタイル。

4本の柱にそれぞれ帆を展開するスタイル。

今回発表された就航以来2年間のデータによると、ウイングセイル1枚あたり1日平均1.3トンの燃料(約300kWのエンジン出力に相当)、4枚合計では1日あたり合計5.2トンの燃料の燃料を節約。CO2排出量に換算すると約20.8トン分削減する成果を挙げたという。

さらに、直近の大西洋横断航行に限ると、1枚あたり1日2.2トンの燃料(510kWに相当)を節減し、船全体では2MW相当の削減を記録したというので、運用が進むにつれて効率が向上していると言えそうだ。

また、帆走のみで最大13.7ノットを発揮したほか、運用稼働率は99.6%を記録するなど、風力推進技術の信頼性と効率性の高さも実証している。

関係企業は、燃料節減効果だけでなく日常運用へのスムーズな統合性にも注目。カノペは、風力支援技術実用化における先駆的な成功例として、将来的な広範な導入への道を切り拓く存在になっていくことだろう。

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