充電にかかる時間や走行可能距離などEVのネガティブポイントを気にする人がいる一方で、モーター駆動による静かでスムーズで、力強い加速感などを一度経験すると「ガソリン車に戻れない」と話すユーザーもいる。EVに一長一短あることはいうまでもないが、ボルボのEX30の試乗で体感した安定感は間違いなく長所だろう。今回、積雪した新潟県妙高市での試乗をレポートする。

妙高山に向かって坂を登っていくルート

今回の試乗車EX30は日本で2023年11月に発売された、ボルボラインナップでもっともコンパクトなSUV。全長4235×全幅1835×全高1550mmというボディサイズは、すでに販売を終了しているボルボのコンパクトハッチバック「V40」やレクサス LBXなどと近い数値で取り回しやすさが光る。以前に東京都内の狭い道を走ったとき感じた視界の広さや全長の短さは、運転のしやすさに直結するポイントだろう。

また、エンジンを搭載しないEV専用のプラットフォーム「SEA」を採用するEX30。いわゆるBセグメントSUVたちと比較して長いホイールベース(2650mm)を実現していることもあって、後席の足元空間は外観から想像した以上に広いことも特長のひとつだ。前後席に180cmの男性が座ってもまだヒザまわりに余裕があるから、このクラスとしては異例の広さではないだろうか。

画像: ボルボ EX30のボディサイズは機械式駐車場に対応するサイズ感。タイヤは標準の245/45R19サイズを装着。

ボルボ EX30のボディサイズは機械式駐車場に対応するサイズ感。タイヤは標準の245/45R19サイズを装着。

そんなEX30で行く試乗ルートは、上越妙高駅近くから上信越自動車道に乗り妙高高原エリアに向かってひたすら坂を登っていくもので、高速道路から市街地まで往復約70km。

さっそく妙高山の方角へ向けて走り出すが、標高の低い地域の道に雪はなくドライ&ウエット路面での走行。今回の試乗趣旨とは違うものの、日本発売当時に試乗した車両と比較して興味深かったのは、乗り心地がマイルドに感じられたことだ。

もちろんスタッドレスタイヤ(ミシュラン X-ICE SNOW)を装着していたこともひとつあるが、今回の試乗車は19インチのアルミホイールを装着しており、前回(20インチ/オプション)よりタイヤのエアボリュームが大きいことが理由だろう。デザイン性の好みもあるが、ボルボらしいゆったりした乗り心地は捨てがたい。どちらのホイールを選ぶか、悩ましい選択だ。

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