ガソリン車も含めてJCWは5モデル展開に
MINIが2030年にEVブランドヘ移行することはすでに公表されているとおりで、この方針に変更はない。今回開催された、MINI ジョンクーパーワークス EとMINI ジョンクーパーワークス エースマン Eの発表会の冒頭で、BMWジャパンの社長 長谷川正敏氏はMINIのバリエーション展開について、ICE(ガソリンエンジンとディーゼルエンジン搭載車)やハイブリッド、EVに加えて、2028年には水素をエネルギー源とした燃料電池車(FCEV)の量産が始まり、日本でも販売することを表明した。
ICEは2030年までにフェードアウトしていくものと思われるが、新たにMINIに加わるFCEVについては、その可能性をBMWが示している。2024年9月トヨタとBMWは、水素インフラの整備拡大やFCEV開発分野で協力関係を強化する方針を発表。2028年以降、ドイツ・ミュンヘンで生産されたBMW iX5ハイドロジェンにはトヨタ製のFCスタックが搭載されるというのだ。iX5とMINIとではサイズが少し異なるとはいえ、時をほぼ同じくしてMINI FCEVの量産がスタートするということは、iX5と同様のシステムが搭載されると推測できる。
3ドアや5ドア、SUVやコンバーチブルなどさまざまなボディタイプを展開するMINIは、多彩なパワートレーンと組み合わせることで、多様化するユーザーニーズに応える電動化ブランドへと発展するということだ。

モンテカルロ仕様のクラシックミニ(レプリカ)を囲う、MINI JCW エースマン E(手前)とMINI JCW E(奥)。
今回発表されたのはいずれも同ブランドのレーシングスピリットを注入した「JCW(ジョンクーパーワークス)」で、これまでガソリン車にしか設定されてこなかったハイパフォーマンスモデルに、新たにEVが追加されたということだ。これでJCWは、ガソリン車(3ドア/コンバーチブル/カントリーマン)とEV(3ドア/エースマン)あわせて5モデル展開となった。