2024年12月24日、国土交通省は電動キックボードなど特定小型原動機付自転車(特定小型原付)の市場抜取検査の結果を更新し、6車種を保安基準不適合モデルとして追加した。該当車種は新車の販売が中止されるが、すでに販売された車両についてはメーカーごとに対応が分かれるという。
--※この記事はウェブサイト「webオートバイ」で2024年12月27日に公開されたものを一部編集し転載しています。

基準を満たしたモデルはステッカーで、満たさないモデルはホームページで公表

2023年7月に誕生した免許不要で乗れる新車両区分「特定小型原付」には、自動車のような車検制度や型式認定制度が存在しないため、ユーザー目線ではどのモデルが安心して利用できるのかがわかりにくいという問題がある。

そこで国土交通省は、①基準をクリアしているモデルをわかりやすくする「性能等確認制度」と、②市販モデルを抜取調査して基準不適合モデルを公表する、という二段構えでユーザーに情報を提供している。

①の「性能等確認制度」は、国土交通省認定機関が保安基準に適合しているかを公的に検証する制度で、基準適合が確認されたモデルについては「性能等確認済」を示すシールが車体に貼られるため、車体を見ただけで基準を満たしていることがわかるようになっている。

また、国土交通省の公式ホームページでも性能等確認済みモデルのリストが公開されているので、通販で電動キックボードなどを購入する場合はそちらをチェックしてみよう。

画像: 国土交通省認定機関にて保安基準クリアを確認したモデルには、それを証明するステッカーが車体に貼られる。

国土交通省認定機関にて保安基準クリアを確認したモデルには、それを証明するステッカーが車体に貼られる。

②については、性能等確認を受けたモデルを含めた市販車両の中で保安基準適合が疑わしいモデルを「市場抜取方式(販売車両からランダムに選び、試験する方式)」で検査し、問題が発見された車種については該当カ所と今後の対応について国土交通省の公式ホームページにて公表されている。

画像: 国土交通省は市販モデルについても保安基準テストを行っている。(画像:国土交通省)

国土交通省は市販モデルについても保安基準テストを行っている。(画像:国土交通省)

2024年12月24日の情報更新では新たに6車種が追加で公表され、未対応の不適合カ所があるモデルは合計15車種になった。

【新たに不適合カ所が発見された車両】
イーモビ:DAWNER ES-N5
Funsedy:Ainohot ST3
ダイナー:wonkey
ELEMOs:ELEMOs3
ELEMOs:ELEMOs4
ELEMOs:ELEMOs4 MAX
【不適合カ所の改善対応中の車両】
正解:LAIL グレードL
Wiz World:Thomas Road
山本建設:Dscoot8.5
山本建設:Dscoot10
Acalie:RICHBIT ES1 Pro
Acalie:COSWHEEL MIRAI T-lite
ロイヤル:Smarcircle S1M
明成車輌:MOBI-BIKE EXCEED TKG
FUGU INOVATIONS JAPAN:MF-EKRA01S-BK

全モデルとも車両の改善が完了するまで新車販売は中止されるが、既販車両についてはブランドによって対応方針が異なるため、該当車種のユーザーは問い合わせて確認すると良いだろう。

保安基準不適合モデルに乗ると罰則が課される可能性も

電動キックボードなど特定小型原付を購入する際、保安基準を満たしたモデルを選ぶには、基本的には性能等確認済みであるかを確認すれば問題ない。

ただ、今回不適合が公表された車両の中には性能等確認済みモデルも含まれており、性能等確認を受けた製品であっても製造ロットによっては保安基準を満たさないものが販売されているということがある、という点には注意が必要だ。

特定小型原付は免許不要で気軽に乗れる電動モビリティだが、法律上はあくまでも車両。保安基準を満たさないモデルに乗っているだけでも、道路運送車両法の規定によりユーザー側が「3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金」が課されることになる。

市場抜取検査の結果は半年に一度(6月・12月)情報が更新されるので、性能等確認済みモデルを所有するオーナーも国土交通省の該当ページで最新情報を確認し、乗る前には日常点検で灯火類やブレーキなど保安部品に問題がないかをチェックしてから利用しよう。

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