2024年9月4日、ヤマハ発動機はスポーツ電動アシスト自転車ブランドYPJシリーズのうち、ワバッシュRT(WABASH RT)とクロスコアRC(CROSSCORE RC)のモーターを小型化&高出力化をするなどの一部改良を発表。同年10月9日に販売をスタートするという。

新型モーター採用でより高出力に、よりスムーズに

2000年代に入ってから自転車は何度かブームとなり、そのたびに販売台数が急増するとともに趣味にする人も増えてきた。その楽しみ方は峠を駆け上がるヒルクライムや林道ツーリングといった本格的なスポーツから、目的地を設定せず散歩するように走るポタリング、そして通勤通学の足として使うなどさまざまある一方、こうした用途すべてを1台の自転車で楽しみたいというニーズが増えているという。

オートキャンプに行った先で走るためのオフロード走行性能、オンロードを快適に走行するための乗り心地の良さ、そして毎日の移動をラクにするための電動アシストといった機能をひとつにまとめて搭載することで、自宅から仕事、旅行先まで多くのシーンで活躍できるオールマイティな自転車が出来上がるわけだ。

実はいま、こうしたどこへでも行けるスポーツ電動アシスト自転車、いわゆるeバイク(e-BIKE)が注目を集めている。

画像: ヤマハのスポーツ電動アシスト自転車ブランド「YPJ」シリーズ。写真はオフロード向けのドロップハンドルを採用したワバッシュRT。ボディカラーはマットショールグレー。

ヤマハのスポーツ電動アシスト自転車ブランド「YPJ」シリーズ。写真はオフロード向けのドロップハンドルを採用したワバッシュRT。ボディカラーはマットショールグレー。

世界初の電動アシスト自転車PASシリーズを生み出したヤマハ発動機も、2015年に同様のコンセプトでYPJシリーズを立ち上げて以降ラインナップを増やし、いまでは6モデルを展開するほどに発展している。最新モデルの一部は「インチューブフレーム構造」を採用して、ダウンチューブ内に電動アシスト用のバッテリーを内蔵させてスタイリッシュさを高められたモデルだ。

このYPJシリーズの中でもワバッシュRT(WABASH RT)とクロスコアRC(CROSSCORE RC)の2024年モデルが発表され、2024年10月9日から販売がスタートするという。

ハイパワー化だけでなく、快適性も向上

ワバッシュRTは、ドロップタイプでありながらオフロードでの走行安定性を高めるフレアハンドルを採用し、また悪路でのグリップ力を確保しつつオンロードでの乗り心地の良さを備えたワイドタイヤ(700×45C)を装着。バイクパッキングをはじめとするアクセサリー装着もできるグラベルバイクである。

画像: グラベルバイクとしながらも、日常づいからツーリングまでオンロード走行も広くカバーするワバッシュRT。ボディカラーはマットストーングレー。

グラベルバイクとしながらも、日常づいからツーリングまでオンロード走行も広くカバーするワバッシュRT。ボディカラーはマットストーングレー。

フラットバーハンドルのクロスコアRCは、ワバッシュRTよりもオンロードやシティユースにより適した性能を持つ。舗装路でのグリップ性能を考慮しつつ、エアボリュームがある27.5×2.0サイズの太いセミスリックタイヤを採用。YPJシリーズの中でも随一のオールマイティさが特長のクロスバイクといえる。

今回この2モデルに、電動アシストするための新型ドライブユニット「PWseries S2」が採用された。従来モデルと比較して約20%の小型化・550gの軽量化、そのうえでモーターパワーは定格出力250W/最大トルク75Nm(従来:240W/70Nm)に高められている。高いアシスト能力を求められる急な山坂における適応能力が向上したことになる。

またアシストモードのアップデートも行われている。走行状況に応じてハイモード/スタンダードモード/エコモードから自動選択する「オートマチックアシストモード」は従来から採用されていたが、モード切り替えのタイミングで発生するショックを低減、より自然でスムーズな加速を得られるようになったという。

画像: 自転車とスマホを接続するコネクテッド技術を採用したクロスコア コネクテッド。ボディカラーはスペースグラファイト。

自転車とスマホを接続するコネクテッド技術を採用したクロスコア コネクテッド。ボディカラーはスペースグラファイト。

こうした改良に加えて、専用のアプリで車両の情報を管理できるコネクテッド機能を採用したクロスコア コネクテッド(CROSSCORE Connected)を追加でラインナップ。点検の時期や内容を通知/履歴を残すメンテナンスノート機能、充電残量/残りアシスト距離を表示するバッテリーリマインド機能、長時間運転アラートやライト無灯火アラートを発するセーフティライドアシスト機能、GPSログを活用して移動の距離や時間などのデータを記録する走行ログ機能、この4つがアプリをとおして提供されるという。

YPJシリーズはどこへでも行けるスポーツ電動アシスト自転車とひとくくりに上述したが、その中でもそれぞれ個性が異なる。本格オフロード性能を持つYPJ-MTプロやYPJ-XCなど、ライフスタイルに合ったモデルを探してみてはどうだろうか。

ヤマハ YPJ クロスコア/ワバッシュ ラインナップ

クロスコア RC:34万1000円
クロスコア コネクテッド:36万6300円
ワバッシュ RT:46万3100円

WABASH RT(Mサイズ) 主要諸元

重量:21.1kg
ブレーキ:前後油圧式ディスクブレーキ
ギア段数:前1段/後11段
バッテリー:リチウムイオン(36V・13.1Ah)
モーター:250W/75Nm
航続距離:94km(オートマティックアシストモード)
充電時間:3.5時間
タイヤサイズ:700×45C
車体価格:21万8000円

WABASH RT(Mサイズ) 主な仕様

フレーム:ハイドロフォームアルミ
フォーク:アルミリジッドフォーク12×100mm
ステム:アローステム31.8mm×80mm
ハンドルバー:アローフレームドロップバー31.8mm×440mm
サドル:ヤマハオールロードサドル
シフター:SHIMANO GRX RX600 11speed
リアディレイラー:SHIMANO GRX RX812 11speed
クランクアーム:SAMOXアロークランク170mm
チェーン:KMC e11 Turbo EPT
カセット:SHIMANO Deore M5100 11speed 11-42T
チェーンリング:アローチェーンリング44T
ブレーキ/ローター:SHIMANO GRX RX400/前180mm・後160mm
タイヤ/チューブ:MAXXIS RAMBLER 700×45C

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