従来型の「GEV600」は累計販売2500台以上のヒット商品
プロトは2003年から2017年にかけて販売していた「ロードホッパー」などが有名なオートバイ関連メーカー。「環境に優しい電動スクーターを初めて市場に定着させること」をスローガンに電動スクーター事業を2020年に立ち上げ、「買い求めやすい価格の追求」「安心できるサービス体制の追求」「ガジェットとしての使い方の提案」を基本コンセプトに改良開発に取り組んできたという。
その結果、ガソリンスクーター同等の車両価格、オートバイ販売店ネットワークを利用したメンテナンス体制、日常使いを意識した性能を備えた「GEV600」が完成し、累計販売台数2500台以上というヒット商品となった。
「PEV600」は「GEV600」がリニューアルしたモデルで、全幅と全高が+20mm拡大していること以外はそのままのスペックに設定されているが、型式認定を取得し、国や一部自治体が用意する購入支援補助金制度の対象車となったことで、より手の届きやすい商品になった。
具体的には、従来モデル「GEV600」の車両価格が19万6900円だったところ、新型「PEV600」では車両価格21万7800円から国のCEV補助金である2万1000円を引くことで実質19万6800円となり、100円お買い得になっているのだ。
また、自治体によっては独自の補助金制度を設定していることがあり、例えば東京都だと6万5000円を受けることができるため、実質価格は21万7800円(車両価格)- 2万1000円(CEV補助金)- 6万5000円 = 13万1800円と電動アシスト自転車なみの価格で購入できることになる。
購入を検討している人は、一度居住自治体の補助金制度をよく確認してから購入するとよいだろう。
アピールポイントは軽量車体と航続距離の長さ
「PEV600」は航続距離70km(30km/h定地走行、体重50kg、気温15℃、無風、ECOモード時)と理想条件において電動原付スクーターとしては比較的長めの航続距離を確保している。もっとも、電動モビリティでは、体重や勾配などによって実生活での航続距離はメーカー公表値の7〜8割程度となることが多いので、実際に走行可能な距離は50kmほどになるだろうか。
また、車名にあるように第一種原付の上限である定格出力600W(最高出力1300W)のパワフルなモーターを搭載。リアハブモーターにしたことで構造がシンプルで静穏性に優れており、第一種原付としては最軽量級な56kgの軽量車体と、モーターやバッテリーの制御プログラムにより、バッテリーが減っている状態でもパワーが持続するように設計されているという。
また、デイランニングランプがユニークなLEDヘッドライトや色あざやかなボディカラー(全5色)などデザイン面にも個性が散りばめられている。
さらに、バッテリー単体でも車載状態でも充電できる2WAY充電(家庭用100V)に対応している点や、走行中の視認性に配慮された液晶ディスプレイ、スマホなどに給電可能なUSB端子(Type-A・1A)の標準装備、フロントバスケット/ミドルバスケット/スマホホルダーなど豊富なアクセサリーパーツ(オプション装備)など、日常生活で便利な機能/装備が搭載されている点も魅力的だ。
新型になりCEV補助金対象車となったことで、自治体によっては電動アシスト自転車なみの価格で購入できるようになった「PEV600」は、安価な車両価格や軽量車体、長航続距離を生かし、自転車の代わりとして日常使いに使える電動スクーターとして普及していくかもしれない。
【主要諸元 プロト PEV600】
全長×全幅×全高 :1720×710×1050mm
重量 :56kg
耐荷重 :150kg
ブレーキ :ディスクブレーキ(前輪)/ドラムブレーキ(後輪)
バッテリー :リチウムイオン(48V・20Ah)
モーター :600W
航続距離 :70km
充電時間 :6〜8時間
タイヤサイズ :14インチ
防水性能 :ーーー
本体価格 :21万7800円