2024年7月11日、株式会社T2と佐川急便株式会社、セイノーホールディングス株式会社は、2024年10月から2025年6月にかけて、T2が開発した自動運転トラックを用いた幹線輸送の実証実験を東京・大阪間の高速道路一部区間で実施すると発表した。

自動運転レベルは全部で6段階に分かれている

自動運転レベルとは、自動運転の度合いを0~5までの6段階で表したもの。レベル3までは市販車が存在し、レベル4とレベル5は実証実験・法整備が行われている状況だ。

レベル0は、「自動運転なし」を表し、ドライバーが全ての運転操作を手動で行う状態のことをさす。

レベル1は「運転支援」。車載システムが縦方向 or 横方向のどちらかの運転制御を限定領域内で実行する。簡単に言えば、前方の車両に追従するアダプティブクルーズコントロール(縦方向)、車線内走行を維持するレーンキープコントロール(横方向)機能のいずれか一方を搭載しているということだ。

レベル2は、レベル1とレベル3の中間で「レベル1の組み合わせ」 または、その発展型である「特定条件下での自動運転機能」を搭載しているのが特徴となる。また、ここまでは運転操作の主体はドライバーメインで、システムはドライバーの運転操作の一部をサポートしてくれるものにとどまっている。

画像: 国土交通省が発表しているレベル分けの基準表 www.mlit.go.jp

国土交通省が発表しているレベル分けの基準表

www.mlit.go.jp

レベル3は、レベル2がさらに高度になり、高速道路など限られた環境において、車載システムが全ての運転操作を実行してくれる段階である。このレベルからシステムが運転操作の主体として存在することになり、人間とシステムの主従関係が逆転するのもポイントとなる。

レベル4は、高速道路の枠から飛び出し、ある一定の地域内(市内規模や区内規模)での完全自動運転を実現するものとなる。ちなみに日本では、2023年4月の道路交通法改正で解禁され、新たな交通主体・分類として「特定自動運行」や「遠隔操作型小型車」が定義された。

レベル5は、地域の枠からも外れた“完全自動運転”で、場所や状況に関係なく、全ての運転操作をシステムが実行してくれる状態だ。

実際に荷物をトラックに載せて高速道路を走行

佐川急便とセイノーホールディングスは、現在社会問題となっているトラックドライバーの労働時間見直しに伴って輸送能力が低下する、いわゆる2024年問題に対して様々な施策を講じてきた。

その一環として自動運転トラックを開発しているT2と協力し、2027年には自動運転レベル4のトラックを活用した幹線輸送の実現を目標に掲げている。

画像: 左から、佐川急便取締役 枝川和弘氏、セイノーホールディングス執行役員 河合秀治氏、T2代表取締役CEO 森本成城氏

左から、佐川急便取締役 枝川和弘氏、セイノーホールディングス執行役員 河合秀治氏、T2代表取締役CEO 森本成城氏

2024年6月には、T2が新東名高速道路の駿河湾沼津SA〜浜松SA間の116kmを、およそ90分間にわたりドライバーが一切関与せずに連続走行する実証実験(ドライバーが同乗するレベル2)に成功しており、今回の実証はそれをさらに範囲を拡大させて行う、ということだ。

佐川急便とセイノーホールディングスの荷物を自動運転トラックで輸送することにより、将来の事業化に向けた知見の獲得や改善点の洗い出しが行われるという。さらに、この実証実験をきっかけに自動運転トラックでの幹線輸送実現に向けた協議会の設立も検討しているそうなので、今後の展開にも注目だ。

【実証実験の詳細】
期間:2024年10月~2025年6月
場所:東京~大阪間の東名高速道路、新東名高速道路、伊勢湾岸道、名神高速道路、新名神高速道路、京滋バイパス
参加企業:T2、佐川急便、セイノーホールディングス
実証内容:トラックレベル4自動運転に向けた高速道路上での自動運転、貨物を積載した幹線輸送における自動運転の路線検証(ドライバー乗車の上、レベル2相当で実施)

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