2024年7月4日(現地時間)、英MINIは7月11日から14日まで開催される世界的なモータースポーツイベントの「グッドウッドフェスティバル・オブ・スピード」で、ジョン・クーパー・ワークス(以下、JCW)初のフル電動車となる“JCW E”をプレビュー、併せてデモ走行を披露すると発表した。なお同モデルは従来型と同じく内燃機関搭載車(以下、ICE)も併売される。

JCWシリーズ初のフル電動モデルは高性能を内に秘める

新世代MINIのファミリーは「クーパー(3ドア/5ドア)」と「カントリーマン」、そして「エースマン」が発表済み。すでに日本でも発売開始されている。クーパー3ドアとカントリーマンにはEVモデルの“E”も設定され、EV専用モデルのエースマンとともにMINIブランドのEVシフトが加速している。一方、ICE(2L直4ターボエンジン)搭載のカントリーマンJCWも新たにラインナップしたのは興味深い。

画像: 300psを発生する2LターボエンジンとALL4を採用するJCWカントリーマン。今のところEVモデルの設定はない。

300psを発生する2LターボエンジンとALL4を採用するJCWカントリーマン。今のところEVモデルの設定はない。

そして新世代ラインナップの最後を飾るのが、3ドアクーパーのJCWである。その存在はすでに予告されており、従来のICE車に加え新たにフル電動のEVもラインナップされることはアナウンス済みである。すでに6月初旬には、軽微なカモフラージュを施された新型クーパー3ドアJCWのICEバージョン(プロトタイプ)が、独ニュルブルクリンク24時間耐久レースに参戦したのをご存じの方もいるだろう。

画像: ICEバージョンは6月1日から2日にかけて開催されたニュルブルクリンク24時間耐久レースに出場。クラストップ(SP-3Tクラス)を記録した。

ICEバージョンは6月1日から2日にかけて開催されたニュルブルクリンク24時間耐久レースに出場。クラストップ(SP-3Tクラス)を記録した。

来る7月11日に明らかになるのは、その“フル電動バージョン”となるクーパー3ドアJCW“E”。JCWシリーズ初のEVだ。すでに見慣れたフォルムながら、6月に公表されたICEモデルとはディテールがかなり異なる。クーパーやカントリーマンはその基盤は別物だが、ICE/EVの違いは一見ではわからないほどよく似ている。一方、新しいクーパー3ドアJCWはクルマに詳しくない人でも、すぐにわかるほど差別化されている。

画像: JCWのEVモデル(プロトタイプ)は控えめに高性能を主張するエクステリアだ。

JCWのEVモデル(プロトタイプ)は控えめに高性能を主張するエクステリアだ。

画像: 一方のガソリンエンジン搭載車のJCWはブラックのオーバーフェンダーなどでレーシーなイメージ。

一方のガソリンエンジン搭載車のJCWはブラックのオーバーフェンダーなどでレーシーなイメージ。

一口に言えば、伝統的なホットハッチのデザイン手法を踏襲しているICEに対して、EVは洗練されており見方によっては“大人っぽい”と言えるだろう。ICEは大径タイヤを覆うブラックのオーバーフェンダーがいかにもだが、EVはフレアフェンダーを採用して後付け感は払拭されている。フロントマスクも猛々しいICEに対して、よりクーパーのデザインに寄った大人しいものだ。すでに発表されているクーパーのドレスアップ仕様であるJCWトリムに近い。

画像: すでに発表されているクーパー3ドアのドレスアップバージョン「JCWトリム」。新型JCW Eのエクステリアと共通点が多い。

すでに発表されているクーパー3ドアのドレスアップバージョン「JCWトリム」。新型JCW Eのエクステリアと共通点が多い。

中国EV勢はまだ手付かずのジャンル。欧州ブランドならでは個性

現時点では、ICEもEVもスペックは明らかにされていないためサイズも含め詳細はわからない。もちろん、どちらも歴代最高の走行性能を実現していることは間違いなく、ジョン・クーパーを名乗るにふさわしいレベルに仕上がっているはずだ。

正式発表/発売は2024年10月を待たねばならないが、シリーズ初のEVモデルがどのような性能を発揮するのか愛好家ならずとも気になるところだ。欧州ではこのところ、アルピーヌA290、アルファロメオ・ジュニア“ヴェローチェ”などコンパクトなフル電動ホットモデルの発表が相次いでいる。欧州車のお家芸であるこのカテゴリーは、マニアックではあるが欧州進出を加速させる中国EV勢はまだ手つかずのジャンルでもある。MINI JCWが加わり、今後の販売最前線の動向が気になるところだ。

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