多角展開されるブラバスのマリン事業
ブラバスが電動ジェットボードを発表した。ブラバスはドイツを発祥として、1980年代から日本でも知名度を高めてきた、メルセデス・ベンツをメインにポルシェやロールスロイスなどのチューナーで、そうしたイメージから少し離れているように感じる人もいるかもしれない。
しかし、実は2010年代からフィンランドの高機動ボートメーカーのアクソパー(Axopar Boats)と組んでプレジャーボート(スーパーボート)をはじめとするマリン事業を、また2020年代からイタリアの高級腕時計メーカー「パネライ(Officine Panerai)」やオーストリアのバイクメーカー「KTM」など異業種によるコラボレーション事業も展開している。
こうした事業の中でもマリンスポーツはひとつの核になっているようで、プレジャーボートの「シャドー」シリーズは大小さまざまなボディラインナップで16モデルも揃えているほか、ウォータースポーツブランド「ジョベ(Jobe)」と組んでスタンドアップパドルボード(サップ/SUP)を用意するなど、多角展開が図られている。
そしてマリン事業としてもうひとつ、電動ジェットボードブランド「アウェイク(awake)」を展開するスウェーデンのRide Awake社とのコラボレーションも2024年5月から始り、シャドーシリーズのジェットボード「BRABUS×awake Limited Edition Shadow Jetboard One of 77」が77台限定発売されたのだ。
ゼロエミッションと刺激的なウォータースポーツ体験という対照的な要素を掛け合わせた製品を開発しているアウェイクらしく、燃料を使わずCO2を排出することもない電動推進機を搭載してハンドコントローラーで操縦する。その加速力も凄まじく、専用に用意された「ブラバスモード」に設定するとわずか3秒で0→50km/h加速をこなしてしまうほど。ブラバスらしい刺激を水上でも味わえる仕様のようで、立って操縦するには相当な技術を要するのではないだろうか。
ブラバスを象徴するブラックのボードは全長1790×全幅620×全高260mmのサイズで、重量は45kg(本体+バッテリー)。2.85kWh容量のバッテリーとリニアジェットシステム/ブラシレスDCモーターを組み合わせて搭載し、駆動時間は最高速での連続航行を60分間行うことができるという。
実はこの「One of 77」が日本でも345万円で販売されることになり、ウオータースポーツ用品を販売するNTLが6月から予約を開始した。ただし、日本仕様はミニボード1.5kw馬力未満に制御される。