2023年12月19日、国土交通省は16歳以上が免許不要でも乗ることができる「特定小型原動機付自転車」について、インターネットで販売されているモデルを中心に保安基準適合性検査の調査を実施、その結果と各メーカーの対応状況を公表して、注意喚起を行った。

国交省の性能等確認制度とは

2023年7月の道交法改正によって誕生した、免許不要の新車両区分「特定小型原付」には、車検や型式認定制度が存在しない。よって、消費者にはどのモデルが安心して乗ることができるのかがわかりにくい。

そこで国交省は、特定小型原動機付自転車(特定原付)の保安基準適合性を確認する「性能等確認制度」を設けており、保安基準への適合が確認された特定原付の型式は国土交通省ホームページにおいて公表して、車体には「性能等確認済」を示すシールが貼付することにしている。

画像: 保安基準に適合しているモデルは「性能等確認済」シールが車体に貼られている

保安基準に適合しているモデルは「性能等確認済」シールが車体に貼られている

ただし、残念なことに「性能等確認」は、各メーカー必須というわけではなく、手順に時間がかかることもあり、多くのモデルは「性能等確認」をそもそも受けていないのが現状である。

7割以上が性能等確認を受けていない

国交省調べによると、2023年10月末時点で流通している電動キックボードは81車種あり、そのうちの70%以上に当たる59車種が「性能等確認」を受けていない、保安基準を満たすか不明な車種である。

そこで、不具合情報ホットラインなどの情報提供をもとに、保安基準不適合の恐れがある10車種に対して、検査を行ったところ、6車種は保安基準を満たさない不適合モデルであることがわかった。

基準不適合の内容としては、灯火器類の光量不足等が4台、走行安定性不良が1台、ブレーキの制動力不足が1台で、うち3車種についてはすでにメーカー側が今後の対応について公表している。

対応を公表しているモデル:FUGU INNOVATIONS JAPAN「MF-EKRA01S-BK」

一般原動機付自転車として家電量販店等でも販売されていたが、道交法改正後は特定小型原付区分に該当し、灯火器類(最高速度表示灯、方向指示器、制動灯)が装備されていない扱いとなってしまい、そのまま利用していると保安基準不適合となってしまうモデル。

画像: 2023年7月の道交法改正以前に「一般原付」で購入したモデルでも、スペックが「特定小型原付」と重なる部分があると"保安基準不適合"となってしまうので注意が必要だ。

2023年7月の道交法改正以前に「一般原付」で購入したモデルでも、スペックが「特定小型原付」と重なる部分があると"保安基準不適合"となってしまうので注意が必要だ。

メーカーはすでに大型の「後方確認ミラー」に交換することで、車幅が特定小型原付区分の0.6mを超え、一般原付区分を維持することができるサービスを提供している。2023年7月以降に購入したユーザーは、メーカーの問い合わせフォームから無償でのミラー交換申請ができるので早めに連絡しよう。

対応を公表しているモデル:Acalie「RICHBIT ES1 PRO」、「COSWHEEL MIRAI T Lite」

いずれもAcalieが販売する電動キックボードで、「RICHBIT ES1 PRO」がエントリーモデル、「COSWHEEL MIRAI T Lite」がハイエンドモデルにあたる。

画像: エントリーモデルの「RICHBIT ES1 PRO」

エントリーモデルの「RICHBIT ES1 PRO」

現在販売中の「性能等確認済」シールが車体に貼られているモデルについては、保安基準を満たしているため引き続き安心して利用できる。

一方、「性能等確認制度」申請前の初期ロット製品については、「RICHIBIT ES1 Pro」が制動灯・方向指示器・速度抑制装置、「COSWHEEL MIRAI T Lite」で制動灯・最高速度表示灯が保安基準不適合であると指摘されている。

画像: ハイエンドモデルの「COSWHEEL MIRAI T Lite」

ハイエンドモデルの「COSWHEEL MIRAI T Lite」

Acalieは、現在対象車両を特定中で、特定でき次第購入者に連絡し、説明後、順次対応する予定であると公表しているので、自分が買った製品に「性能等確認済み」シールが貼られていなければ、申請フォームから問い合わせてみよう。

保安基準をクリアしていたモデル

電動キックボードシェアリングサービスの「BIRD」と「LUUP」の提供車種については、保安基準に適合していたことが明らかとなっているので、安心してほしい。

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