15万以上の高額モデル
Newseed「KICK ZONE 350W」
同製品の一番の特徴は、電動キックボードのメインフレーム部分(ハンドル下支柱部分)に装備された取り外し可能なバッテリー。ワンタッチで取り外せるクイックリリース式なので、重い電動キックボード本体をコンセント近辺まで運ぶ必要がない便利仕様である。
また、ヨドバシカメラ等家電量販店での店頭販売も行われるので、購入前に実際の製品を試せるのも嬉しいポイント。
【主要諸元 Newseed KICK ZONE 350W】
全長×全幅×全高 :1130×470×1270mm
(折りたたみ時) :1130×470×550mm
重量 :21kg
耐荷重 :100kg
ブレーキ :前輪ドラムブレーキ、後輪ディスクブレーキ
歩道走行モード対応 :あり
バッテリー :リチウムイオン(36V・13Ah)
モーター :350W
航続距離 :40km
充電時間 :7時間
タイヤサイズ :10インチ
防水性能 :IP54
本体価格 :17万3800円
COSWHEEL「MIRAI T Lite」
「RICHBIT ES1 PRO」と同じAcalieが手がける「COSWHEEL」は、アメリカンルックスのペダル付き電動バイク「COSWHEEL MIRAI」や電動アシスト自転車「COSWHEEL MIRAI E-BIKE」、特定原付規格の電動キックボード「COSHWEEL MIRAI T Lite」をラインナップするモビリティブランド。
「COSWHEEL MIRAI T Lite」は、ハイエンドモデルにふさわしく「座り乗り可能なサドル」が用意されており、オプションの20Ah大容量バッテリー装着で最長90kmの航続距離が確保され、電動キックボードとしては高性能なIP65相当の防水性能を誇るなど、ヘビーユーザーに嬉しい様々な機能が備わっている。
【主要諸元 COSWHEEL MIRAI T Lite】
全長×全幅×全高 :1180×600×1180mm
(折りたたみ時) :1180×600×490mm
重量 :22kg
耐荷重 :120kg
ブレーキ :前後ディスクブレーキ
歩道走行モード対応 :あり
バッテリー :リチウムイオン(48V・10Ah)
※オプションの大容量バッテリーは48V・20Ah
モーター :500W
航続距離 :35km~45km(大容量バッテリー:70〜90km)
充電時間 :3.5時間
タイヤサイズ :10インチ
防水性能 :IP65
本体価格 :17万6000円
YADEA 「KS6 PRO」
「KS6 PRO」は、もともと一般原付規格で売られている「KS5 PRO」を、2023年7月に新設された”免許不要の電動キックボード”規格である「特定小型原付」の基準に合わせて、細かいスペックや装備を調整したモデル。
一般原付モデル同様、ブレーキは前輪にドラムブレーキと後輪にディスクブレーキ+電子ブレーキを搭載し、後輪には回生ブレーキ機構を備えている点が大きな特徴だ。カタログ上の航続距離は60kmだが、回生ブレーキでエネルギーを回収できるので、うまく使えば航続距離を伸ばすことが可能とみられる。
また、10インチタイヤの採用とフロントサスペンションの搭載により、比較的安定した走行が可能で、高強度アルミフレーム使用で耐荷重は110kg、防水レベルはIPX4仕様となるため、雨天時の使用は厳しいがちょっと水がかかってしまう程度なら問題ないようだ。
【主要諸元 YADEA KS6 PRO】
全長×全幅×全高 :1192×520×1258mm
(折りたたみ時) :1192×520×604mm
重量 :22kg
耐荷重 :110kg
ブレーキ :前輪ドラムブレーキ、後輪ディスク+電動ブレーキ
歩道走行モード対応 :あり
バッテリー :リチウムイオン(36V・15Ah)
モーター :500W
航続距離 :60km
充電時間 :5時間
タイヤサイズ :10インチ
防水性能 :IPX4
本体価格 :19万8000円
ストリーモ 「ストリーモ S01JT」
ホンダの新事業創出プログラム「IGNITION」から生まれたベンチャー企業「ストリーモ」が開発した3輪電動キックボード。特徴的な3輪構造により、停止時も自立し、1-2km/hといった極低速から快適な速度まで転びにくく、安定した走行が可能なところがユニークである。
【主要諸元 ストリーモ S01JT】
全長×全幅×全高 :1090×500×1180mm
(折りたたみ時) :565×500×1090mm
重量 :21kg
耐荷重 :120kg
ブレーキ :前輪ディスクブレーキ、後輪ドラムブレーキ×2
歩道走行モード対応 :あり
バッテリー :リチウムイオン(36V・13Ah)
モーター :430W
航続距離 :30km
充電時間 :3.5時間
タイヤサイズ :10インチ
防水性能 :なし
本体価格 :30万5000円
まとめ
今回、紹介したのは、2023年に発売が開始された免許がいらない電動キックボード(特定小型原付区分)の中でも、国交省制定の保安基準適合確認制度「性能等確認制度」に合格した、いわば国交省認定のモデルたち。
6万円台で買えるエントリーモデルから、30万円超えのハイエンドモデルまで価格順に計10台をご紹介したが、それぞれに登坂性能や防水性、航続距離や重量などといった個性的な特徴を備えている。
例えば、防水性ならIP65を誇る「COSWHEEL MIRAI T Lite」、重量なら13.8kgの「RICHBIT ES1 PRO」、航続距離なら80kmの「E-KON City」、安定性なら自立する3輪タイプの「ストリーモ S01JT」が最も優れた製品であり、各ユーザーが電動キックボードに何を求めるかによって最適な製品を選ぶとよいだろう。
また、同じようなスペックのモデルであっても、システム制御やブレーキフィールなど、実際の使用感は大きく異なる場合も多い。通販サイトでポチる前に、その製品を取り扱う家電量販店やバイク・自転車専門店等で試乗して確かめることをおすすめする。
免許不要の電動キックボードは、公道を走行する「一番小さな車両」であるという認識を持ち、「特定小型原付」の交通ルール(2段階右折・一時停止など)や自賠責保険への加入など、法律で定められたユーザーの義務と責任を果たさなければならない。
もし、ルールを破ると罰則や反則金が課せられ、他者を巻き込んだ事故のリスクが上昇するだけでなく、ユーザー自身も大怪我や死亡する事例が発生しているので注意が必要だ。