2023年11月24日、三菱自動車工業(以下、三菱)は軽自動車規格の商用EVであるミニキャブMiEVを改良し、また名称も「ミニキャブEV(MINICAB EV)」に変更して2023年12月21日から販売することを発表した。

性能や安全性は大きく向上。それでも車両価格に大きな変更なし

日本の企業はいま脱炭素化・カーボンニュートラルの実現に向けて、太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーの採用、省エネの推進などさまざまな活動を行っている。そんな中、CO2排出量を削減するために社有車をEVに転換する企業が増えているという。

そうした需要に応えるため、三菱は2022年11月に軽自動車規格の商用バンでEVのミニキャブMiEVを発売した。ただこのモデル、実は2011年から2021年まで販売されていたクルマを一部改良して再販売という形で市場投入したものだ。横滑り防止機能を含むASC(アクティブスタビリティコントロール)や、2020年から標準装備を義務化されたオートライトを採用するなど、安全性や使い勝手を向上させる変更が施された。

この再販からおよそ1年経過した2023年11月24日、さらに改良を施し、また名称を「ミニキャブEV」に変更して同年12月21日に発売すると発表された。

画像: 外装パネル類に変更はないが、サイドからリアにかけてのデカールは変わっている。

外装パネル類に変更はないが、サイドからリアにかけてのデカールは変わっている。

もっとも大きな変更点はパワートレーンで、ユーザーからの要望の多かったという一充電あたりの走行可能距離を伸ばすため駆動用バッテリーを新世代に変更、容量は従来の16.0kWhから20.0kWh(約25%増)としている。これに加えてモーターとインバーターを一体構造にするなどモーター効率を向上させることにより、満充電での航続距離を従来の133kmから180km(約35%増/いずれもWLTCモード)に向上させた。

三菱によると軽商用バンユーザーの約77%は、1日あたりの走行距離は65km未満だという。従来モデルでもこの数値は余裕を持ってクリアしていたが、今回の改良によってさらに多くのユーザーの用途をカバーできるようになるだろう。またシフトポジションを「B」にしたときの回生ブレーキの効きを強めて電費も向上させている。

改良点は運転支援システム(ADAS)にもおよび、衝突被害軽減ブレーキシステムや車線逸脱警報システム、オートマチックハイビーム、誤発進抑制機能(前進時)といった予防安全技術「三菱e-Assist」が新たに採用され、サポカーSワイドに対応することになる。また坂道発進時に後退を防ぐヒルスタートアシストも搭載する。

ほかにも乗り心地改善や荷物への衝撃軽減のため前後サスペンションセッティングを改良、またスマホの充電に使えるUSBポートを2口(タイプAとタイプC)やアクセサリーコンセント(AC100V/最大1500W、2シーターのみ)をオプション設定するなど使い勝手の向上が図られている。

走行可能距離を伸ばし、安全性を向上、機能を追加するなど改良を行いながら、2シーター仕様の車両価格は変わらず243万1000円、4シーター仕様はわずか3.3万円高くなった248万6000円に設定されている。

三菱 ミニキャブEV CD(4シーター) 主要諸元

●全長×全幅×全高:3395×1475×1915mm
●ホイールベース:2390mm
●車両重量:1130kg
●モーター:YA1型
●最高出力:31kW(42ps)
●最大トルク:195Nm
●バッテリー総電力量:20kWh
●WLTCモード航続距離:180km
●駆動方式:RWD
●タイヤサイズ:145/80R12
●車両価格(税込):248万6000円

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