BMWのSUV、Xシリーズに初めて追加されたEVが「iX3」だ。2021年8月に発表され、その3カ月後となる2021年11月に日本での販売が開始されている。後に続く「iX1」や「iX2」の先陣を切るモデルとなった。

あえて抑えられているデザイン的なEVらしさ

2021年11月4日、BMWは日本市場に「iX3」と「iX」のふたつのEVを同時に発売し話題となった。iX3はドイツ本国においてBMWのSUV「X」シリーズの中でもっとも早く登場したEVであり、またガソリンエンジンを搭載したX3をベースとしたプラットフォーム共通モデルという点で、EV専用モデルのiXとは異なる。

iX3のベースとなったX3は、全長4.8m未満の比較的コンパクトなボディサイズと、走りの良さ、SUVながらスポーティなデザインを採用して従来から人気のあるモデルであった。こうした利便性とデザイン性、そして先進運転支援システムなどを継承しつつ、EVらしいデザインを採用したのがiX3だ。

画像: ボディ右側後方のフェンダーにCHAdeMO急速充電口が、左側前方のフェンダーに普通充電口が備わる。

ボディ右側後方のフェンダーにCHAdeMO急速充電口が、左側前方のフェンダーに普通充電口が備わる。

エクステリアにおいてキドニーグリルは空力性能を考慮してカバーされるとともに、リアアンダースポイラーの一部、BMWロゴと同様に特徴的なブルーを配されている。ただその印象は、EVであることを強く示すような目立つものではなく、小さなアクセントカラーとして機能している。インテリアにおいてスタート/ストップボタンやシフトノブまわりにもブルーが使われている。また、M Sportパッケージを標準装備することも特長だ。

リアにモーターを搭載する後輪駆動SUV

先進運転支援システムとして、高速道路の渋滞時にハンドルから手を離して走行することのできる「ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能」を採用。AI技術を活用して、会話方式でカーナビやオーディオなどを操作できるインテリジェント・パーソナル・アシスタント機能や、アマゾンアレクサなども装備する。

搭載されるリチウムイオンバッテリーのセルは10個のモジュールにまとめられ、それぞれアルミのケースに格納、床下にボディ構造部品として配置されている。電池容量は80kWhで、一充電における走行可能距離は508km(WLTCモード)を達成している。

画像: iX3のパワーとレーンは、モーターやドライブギア、制御システムなどをユニットにまとめて搭載される。

iX3のパワーとレーンは、モーターやドライブギア、制御システムなどをユニットにまとめて搭載される。

電動パワートレーンは、BMWにとって第5世代と呼ぶべきもの。モーターとパワーエレクトロニクス、ドライブギアなどが一体化されており、iXや後に登場する「i4」などにも採用されたシステムだ。駆動用モーターは永久磁石を使わない交流同期型で後輪にひとつだけ搭載する。つまりは後輪駆動車だ。

モーターパワーは最高出力210kW(286ps)/最大トルクは400Nmで、欧州仕様車の0→100km/h加速が6.8秒。ただし、最高加速は180km/hに制限されている。

【主要諸元 BMW iX3 M Sport】
型式:ZAA-42DU44 寸法:全長4740×全幅1890×全高1670mm ホイールベース:2865mm 車両重量:2200kg 乗車定員:5名 最小回転半径:5.7m 電力量消費率:168Wh/km(WLTCモード) 一充電走行距離:508km(WLTCモード) 電池総電力量:80kWh 最高出力:210kW (286ps) 最大トルク:400Nm 駆動方式:後輪駆動 車両価格:922万円 CEV補助金:65万円

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