「ジャパンモビリティショー(JMS) 2023」のプレスブリーフィングでスズキが存在感を示していた。そもそも二輪車、四輪車を手がけている上に、スカイドライブとの共同開発で2024年からは「空飛ぶクルマ」の製造も開始する。スズキのモビリティ全般についての幅広い取り組みが改めてわかったブリーフィングとなった。

「ワゴンR CBG車」に注目したい

スズキは今年で創業103年となる自動車メーカーとして老舗と言える存在だが、鈴木俊宏社長はプレスブリーフィングのスピーチ冒頭で、長い歴史を重ねて今「適所適材のカーボンニュートラルは何か。その答えがわかった」と語った。それは「マルチパスウェイ」だという。

トヨタがよく使う言葉だが、スズキはトヨタとの関係を深める中で敢えてこの言葉を使ったのだろうか。それは違うようだ。単にトヨタに追随するということではなく、実はスズキこそ、「マルチパスウェイ」をいちばん理解している企業ではないかということに気づかされた。

JMS 2023に展示されるモデルは二輪車から四輪車まで、実に多種多様だ。それぞれに使うユーザー像が見えているからこそ、これほど多くのモビリティを出すことができるのだろう。さらにインドという市場で確固たる地位を築いていることも「マルチパスウェイ」に繋がる。

スズキはインドでのCBG(圧縮バイオメタンガス)事業として、「ワゴンR CBG車」を展示した。わかりやすく言うと「牛のフンから発生させたメタンガスを燃料として使う」というものだ。10頭分の1日のフンでクルマ1台が1日走れるそうだ。そして、インドには牛が3億頭いる。まさにこれは「マルチパスウェイ」と言っていいだろう。

さて、スズキブースの目玉はと言えば、EVの世界戦略車第一弾となる「eVX」だ。これは2023年1月にインドで開催された「Auto Expo 2023」で公開されたエクステリアを進化させるともに、インテリアについては初公開するものだ。スペックとしては全長×全幅×全高が4300×1800×1600mmで、航続距離は500kmということだけが発表されている。

そして世界初公開となるのが軽ワゴンEVの「eWX」。これについても参考値として全長×全幅×全高:3395×1475×1620mmと航続距離が230kmと発表されているのみだ。その他、四輪車では「スペーシア コンセプト」、「スペーシア カスタム コンセプト」、さらに「スイフト コンセプト」が世界初公開となっている。

さらにスズキらしい新たなモビリティが数多く揃えられた。さすがは二輪車メーカーでもあると言っていい。二輪技術展示車の「水素エンジンバーグマン」の他、思わず欲しくなるコンパクトなモビリティが目白押しだ。

「モーターショー」から「モビリティショー」に変わったことで、いちばんしっくり来るようになったのはスズキかも知れない。見どころはかなり多いと言えるだろう。

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