日本独自の軽自動車規格に準じたEVが「日産サクラ」だ。コンパクトなボディに64psのモーターで活発な走りを見せ、補助金を含めればガソリン車とあまり変わらない金額で手に入れられる。ヒットする要素に溢れた日産サクラを紹介しよう。

デビュー約1年で5万台以上を受注

日産初の軽自動車のEVが「サクラ」だ。日産と三菱自動車の共同プロジェクトであるNMKVが企画・開発を行い、三菱自動車の水島工場にて生産される。三菱自動車の「eKクロスEV」が兄弟車となるわけだ。

日産と三菱自動車は、どちらもEVを得意とするメーカーであり、その両社の技術を結集した軽自動車EVが「サクラ」と「eKクロスEV」となるわけだ。

画像: EVとしての先進性をスタイリングでもうまく表現している。

EVとしての先進性をスタイリングでもうまく表現している。

そんな「サクラ」は2022年6月に発売となり、これまで約1年で5万台以上の受注を達成。2022年度の国内のEV販売数の約4割を「サクラ」が占めるほどのヒットとなった。その魅力は、高い走行性能と品質、実用性、そして優れたコスト競争力だ。

実用性という意味では、日産の既存の軽自動車「デイズ」をベースにしながらも、室内空間を犠牲にせずEV化を実現。ワゴンスタイルの軽自動車ならではの広い室内空間を確保している。

補助金を使えば約150万円から購入可能

走りの面でも高い実力を備える。最高出力こそ、軽自動車の自主規制値である47kW(64ps)に設定されているが、最大トルクは195Nmと、エンジン車の3倍以上となっている。

搭載するバッテリーの容量を20kWhと小さくしたこともあって重量増もミニマム。その結果、ゆとりある大トルクで、非常にキビキビとした走りを実現している。

ただし、バッテリー容量が小さいため一充電走行距離は180km(WLTCモード)であり、他の登録車EVと比べると、その距離は相当に短い。しかし、それでも「サクラ」はヒットした。軽自動車のため一充電走行距離を気にしないユーザーが多かったのだろう。

画像: 機能的でモニターやスイッチ類の操作性もよい。前方視界も抜群だ。

機能的でモニターやスイッチ類の操作性もよい。前方視界も抜群だ。

コスト競争力という意味でも「サクラ」は優秀だ。車両価格は補助金なしで254万8700円〜304万0400円。400万円以上するモデルが占めるEVの中でも、飛びぬけて安い。

さらに補助金を使えば200〜250万円ほどの負担でEVオーナーとなれる。エンジン車の軽自動車で主流となる150〜200万円の価格帯に迫るのだ。

優れた実力と高いコスト競争力。その二つを兼ね備えたからこそ「サクラ」はヒットモデルとなったのだろう。

【主要諸元 日産サクラG】
型式:ZAA-B6AW 寸法:全長3395×全幅1475×全高1655mm ホイールベース:2495mm 車両重量:1080kg 乗車定員:4名 最小回転半径:4.8m 電力量消費率:124wh/km(WLTCモード) 一充電走行距離:180km(WLTCモード) 電池総電力量:20kWh モーター:最高出力47kW(64ps)/2302〜10455rpm 最大トルク:195Nm/0〜2302rpm 駆動方式:前輪駆動 車両価格:304万0400円 CEV補助金:55万円

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