このところEVのニューモデルが世界各国で発表されているが、日本のユーザーにとって待ち遠しいのはミニバンタイプだろう。EVには乗ってみたいけれど、ミニバンであることは愛車の絶対条件。そんなユーザーに朗報となるかも知れないニュースをお伝えしよう。

EVミニバンがついに導入されるか!?

日産自動車「サクラ」と三菱自動車工業「eKクロスEV」の生産累計は約1年間で5万台を達成した。一方、日本で根強いニーズがあるのが3列シートのミニバンだ。とは言え、EVのミニバンは中国メーカーがようやくラインナップを揃えてきたばかり。ミニバン人気が高い国内メーカーはまだその計画はないようだ。つまり、当分のあいだEVミニバンは手に入りそうもない。

そこでEVミニバンが欲しいというユーザー層の間で関心が高まっているのが、フォルクスワーゲンの「ID.BUZZ」である。すでに発売が始まっている欧州では、2列シートの乗用MPV「Pro」と商用車仕様の「Cargo」というラインナップだが、2024年以降に発売される日本仕様では3列シート車も存在するとささやかれている。

去る6月2日(現地時間)に米カリフォルニア州で開催された「International Volkswagen Bus Day」。そこで世界初公開された北米仕様には、ウワサどおり3列シート車が用意されていた。これで、日本でも3列シート車がラインナップされる可能性が一気に高まった。期待を込めて、最新の3列シートEVの全貌を報告しよう。

サイズはアルファードとほぼ同じ

「ワーゲンバス」の愛称で日本でも親しまれ、熱心なファンが世界中に存在する。EVに生まれ変わったワーゲンバス、まずは気になるボディサイズから見てみよう。全長4887mm×全幅1979mm×全高1895mm、ホイールベースは3239mm(インチ→mmに換算、以下同)だ。

画像: スクエアなボディで全長は約4.8mあるのでキャビンはかなり広いはず。

スクエアなボディで全長は約4.8mあるのでキャビンはかなり広いはず。

5人乗りMPVの欧州仕様より175mm長いが、幅と高さはほぼ同じ。前後オーバーハングも同様なので、その差はほぼホイールベースに充てられていることになる。ちなみに日本で人気の現行アルファードは、全長4945×全幅1850×全高1950mm。ホイールベース3000mm。ID.BUZZのほうがホイールベースは3cm弱長いが、ほぼ同じサイズ感だ。むしろ、全長から逆算すると、室内空間は現行アルファードよりも広いはずである。

画像: 3列目シートは2座なので幅には余裕がある。大人でも十分にくつろげそう。

3列目シートは2座なので幅には余裕がある。大人でも十分にくつろげそう。

乗車定員は7名で、2/3/2というレイアウト。北米仕様は全席にシートヒーターを標準装備する。2列目シートは200mm前後にスライド可能で60:40の分割可倒式。また2列目と3列目は平らに折りたたむことが可能で3列目シートは完全に取り外すことができるなど、実用性が高いのもフォルクスワーゲンらしい。なお、北米仕様では、2列目をキャプテンシートに変更した2/2/2レイアウトもオプション設定される。

北米では全輪駆動車もラインナップ

メカニズムは先ごろ発表されたアッパーミドルセダン「ID.7」と共通点が多い。ロングホイールベース化によりバッテリー容量は91kWhに大幅増量(欧州仕様は77kWh)。後輪を駆動するモーターもiD.7と同じAPP550型を搭載し、210kW(約286ps)の最高出力と550 Nmの最大トルクを発生する。

欧州仕様比で60kW(約82ps)/240Nmも強力だ。航続可能距離は今回発表されなかったが、700km(WLTP)を誇るiD.7から推定すると、600km台後半を達成する可能性もある。

画像: 殊更に先進性を強調しない落ち着いたインパネまわりのデザイン。

殊更に先進性を強調しない落ち着いたインパネまわりのデザイン。

なお北米では後輪駆動モデルに加えて、フロントにモーターを追加した全輪駆動車もラインナップされる。フロントアクセルに36kW (約49ps)/が追加され、合計出力は246kW(約335ps)に達する。

コクピットには10インチのデジタルインストルメントクラスターと、12インチのインフォテインメントスクリーンを採用。ID.7に搭載されているものをベースにアップグレードされている。おなじみの静電容量式タッチボタンとスライダーを備えており、空調調整機能はアクセスしやすいようにディスプレイ下部にまとめられている。

画像: 2列目はベンチシートで3名乗車となる。

2列目はベンチシートで3名乗車となる。

日本での発売は2024年以降

おもな標準装備は、全席シートヒーター付きパワーシート、ヒーター付きステアリングホイール、パワーフォールディングおよびヒーター付きバックミラー、アンビエントライト、パワーテールゲートなど。

また、キャビン全体に点在する8つのUSB-C充電ポート、前席には110Vのコンセント、荷室には12V電源コンセントが用意されている。日本導入の際には独自の仕様・装備が装備されると予想されるが、先進性だけでなくラグジュアリー機能にも配慮されていることが伺われる。

北米での発売は2024年から。日本での発売は2024年以降とアナウンスされているので、場合によっては2025年にずれ込む可能性はある。2023年夏にはトヨタ・アルファード/ヴェルファイアもフルモデルチェンジして、より長く価格もアップしそうだ。次のマイカーは、EVかそれとも国内ナンバーワン・ブランドか。ミニバンを考えているユーザーの悩みは尽きない?

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