自動運転レベルとは、自動運転の度合いを0~5までの6段階で表したもの。レベル3までは市販車が存在し、レベル4とレベル5は実証実験・法整備が行われている状況だ。その内容を詳しく見ていきたい。

自動運転レベルの違いとは

レベル0は、「自動運転なし」を表し、ドライバーが全ての運転操作を手動で行う状態のことをさす。自動車誕生以来、ほとんどの車はこれであった。

レベル1は「運転支援」で、車載システムが縦方向 or 横方向のどちらかの運転制御を限定領域内で実行する。例えば、前方の車両に追従するアダプティブクルーズコントロール(縦方向)、車線内走行を維持するレーンキープコントロール(横方向)機能のいずれか一方を搭載する車両のことである。

レベル2は、レベル1とレベル3の中間で「部分的レベル1の組み合わせ」 または、その発展型である「特定条件下での自動運転機能」を搭載する。つまり、レベル2には下位バージョンと上位バージョンがあり、下位版はレベル1の縦方向・横方向の運転制御を複数備えるモデル、上位版は、その発展版として高速道路など限定された環境でドライバーの運転操作を一部代替してくれるモデルとなる。

ここまでは、運転操作の主体はドライバーメインで、システムはドライバーの運転操作の一部をサポートしてくれるものにとどまっている。

画像: 国土交通省が発表しているレベル分けの基準表 https://www.mlit.go.jp/common/001226541.pdf

国土交通省が発表しているレベル分けの基準表

レベル3は、レベル2がさらに高度になったイメージで、高速道路など限られた環境において、車載システムが全ての運転操作を実行してくれる段階である。このレベル以降、限定環境と全環境対応の違いはあれど、基本的にはシステムが運転操作の主体として存在することになり、人間とシステムの主従関係が逆転する。

また、レベル3からは本格的に自動運転領域に入ってくるため、道路交通法など法規制の問題も関わってくる。日本では、2020年の道路交通法改正でレベル3が解禁され、2021年にはホンダのレジェンドが世界初の市販車両として登場しているが、すでに日本での販売を終了している。

レベル4は、高速道路の枠から飛び出し、ある一定の地域内(市内規模や区内規模)での完全自動運転を実現するものとなる。日本では、2023年4月の道路交通法改正で解禁され、新たな交通主体・分類として「特定自動運行」や「遠隔操作型小型車」が定義された。

特定自動運行はドライバーが車内にいない、いわゆる自動運転レベル4を想定したもので、遠隔操作型小型車は歩道を走行する自動配送ロボットなどを想定したものだ。

レベル5は、地域の枠からも外れた、完全自動運転で、場所や状況に関係なく、全ての運転操作をシステムが実行してくれる状態である。現状、このレベルに達した事例は存在しないが、AI技術の発展により近い将来実現する可能性が高まっている。

段階内容主体走行領域
レベル0手動(自動運転なし)
レベル1運転支援限定的
レベル2部分的な自動運転化限定的
レベル3高速道路などでの自動運転車(システム)限定的
レベル4地域を限定した完全自動運転車(システム)限定的
レベル5完全自動運転車(システム)限定なし

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