ジャパンモビリティショー・ビズウィーク2026において、日本一周に成功、走行4万6688kmを達成した原付ミニカー「セルフメイド」が展示されていた。現在、ICOMA・萩原エレクトロニクス・名張HDが共同で、市販化プロジェクトを進めており、今後YouTube、Xにて舞台裏が配信されるようだ。

文:黒石研仁
▶▶▶写真はこちら|「セルフメイド」(画像5枚)

スーパーセブン風の自作原付ミニカー「セルフメイド」、日本一周を経て市販化へ

ジャパンモビリティショー・ビズウィーク2026の会場で、自作の原付ミニカー「セルフメイド」が展示されていた。

この車両の特長を一文で表すとしたら、「ケータハム・スーパーセブン風の車体に、50ccのバイク用エンジンを搭載した、原付ミニカー区分のスポーツカー」。全長1995mm、全幅950mmとコンパクトなボディで、車体重量170kg、航続距離250kmというスペックを持つ。

画像: 原付ミニカー区分なので非常にコンパクトな車体となっている。

原付ミニカー区分なので非常にコンパクトな車体となっている。

製作したのは、折りたたみ電動バイク「タタメルバイク」を手がけるICOMAのメカニック、豊永大空氏だ。入社前にほぼ一人で、バイクのパーツを流用しつつ、フレームやアームを自ら設計・製作し、完成後は日本一周にも成功。現時点の総走行距離は、なんと4万6688kmに達しているという。

セルフメイド(展示モデル) 主要諸元

全長×全幅:1995×950mm
車体重量:170kg
航続距離:250km
エンジン:50cc(バイク用)
車両区分:ミニカー

原付ミニカーとは?「軽より小さい四輪版の原付」

原付ミニカー(ミニカー)は、一言でまとめるなら「三輪・四輪版の原付」で、軽自動車より小さい車体に原付一種のエンジンまたは電動モーターを搭載したクルマである。

道路運送車両法では「原動機付自転車(第一種原付)」に分類される一方、道路交通法では「普通自動車」に分類されるため、維持費は原付一種レベルなのにクルマと同じ交通ルールで乗れることが最大の特長となる。

原付一種ミニカー軽自動車
必要な免許原付免許以上普通自動車免許普通自動車免許
最高速度(一般道)30km/h60km/h60km/h
ヘルメット必要不要不要
二段階右折必要不要不要
車検不要不要必要
高速道路走行不可走行不可走行可
乗車定員1名1名4名

つまり、車検・自動車重量税・車庫証明は不要、自賠責保険料は原付一種相当でありつつ、最高速度60km/h、二段階右折不要というクルマとしての利便性を享受できるというユニークな運用が可能だ。

そのため、約2000台弱の受注台数で話題となったKGモーターズのmibotを筆頭に、近年にわかに注目を集めているジャンルなのである。

市販化プロジェクト始動、EVモデルも視野に開発が進む

現在、ICOMAはタタメルバイクの知見や技術を生かし、セルフメイドの仕様やパーツといった設計の見直しに着手しており、エンジンモデルだけでなくモーターに換装したEVバージョンの設定も視野に入れているようだ。

また、将来の販売に向けて他社との連携プロジェクト「小型スポーツカー共創プロジェクト」も始動している。同プロジェクトでは、 ICOMA、萩原エレクトロニクス、名張ホールディングスの3社が、セルフメイドをベースとしたミニカー区分の小型スポーツカーの開発、販売を連携して行う。

画像: 趣味車としての小型スポーツカーの価格上昇が著しい中、車両価格がいくらに設定されるのか注目である。

趣味車としての小型スポーツカーの価格上昇が著しい中、車両価格がいくらに設定されるのか注目である。

「小型スポーツカー共創プロジェクト」3社の役割

ICOMA:商品企画、デザイン・設計、プロモーション、コミュニティ形成
萩原エレクトロニクス:事業化支援、部材調達ルート開拓、SCM構築
名張ホールディングス:量産工程設計、製造技術・品質管理、試作・量産組立

ちなみに、気になる車両価格や発売時期は現時点では未発表だが、ICOMA・セルフメイドのYouTubeチャンネル・Xでプロジェクトの舞台裏が配信される予定だという。スタートアップによるスポーツカー開発と量産化に向けた奮闘を見られるまたとない機会なので、気になる人はぜひ一度チェックしてみてはいかがだろうか。

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