2026年9月、ヤマハモーターエンジニアリングと五十畑工業は、共同開発した電動アシストお散歩カー「避難車兼用電動アシストお散歩カー てくてくスワニー」の受注を開始する。同モデルは、保育士の身体的負担を軽減し、坂道でも簡単に押し歩きできるように設計されている。

電動アシスト化で坂道でも楽々移動可能に

ヤマハは、水利から火災現場までホースを延長・運搬するための手引きホースカーに電動アシスト機能を搭載した消防用資機材「電動アシストホースカー」を開発してきた実績がある。

ここで培った技術を、人手不足の深刻化により業務負荷の軽減が求められている保育業界で活用することを視野に入れていた。一方、ベビーカーの老舗メーカーである五十畑工業も、10年前まで販売していた電動お散歩カー再販への想いがあり、両社共同開発による「電動アシストお散歩カー」の製品化に繋がったという。

消防用電動アシストホースカーでは、一刻を争う火災現場における機動性を重視し、パワフルで迅速な動きを重視していた。他方、今回の電動アシストお散歩カーでは五十畑工業とともに、保育士と子どもたちが安心して楽しく散歩ができる製品を目標に共同開発している。

画像: 電動アシストお散歩カーに搭載された電動アシストユニット。

電動アシストお散歩カーに搭載された電動アシストユニット。

2年半にわたった開発過程においては、複数の保育園に協力を仰ぎ試作品を評価を得、現場の声を反映した試作車をさらに6台製作。操作性や利便性のブラッシュアップを重ね、保育現場に寄り添ったモデルに仕上げたという。

最終試作モデルの試走は、2026年7月下旬に神奈川県横浜市の「ゆめの樹保育園ほどがや」にて、園児が乗車した状態を想定し、カートに約70kgの重りを搭載して実施。急な坂道で試走した女性保育士は「自分の体と一体になって動いてくれるので今までの10%くらいの力で動かすことができた。足腰の疲労がかなり軽減しそう」と述べており、電動アシストの有効性を実感できたようだ。

画像: 五十畑工業 五十畑勝通氏(右)、ゆめの樹保育園ほどがや 佐々木真由美施設長(中)、ヤマハモーターエンジニアリング 光主侑一郎氏。

五十畑工業 五十畑勝通氏(右)、ゆめの樹保育園ほどがや 佐々木真由美施設長(中)、ヤマハモーターエンジニアリング 光主侑一郎氏。

これまでの散歩や移動では、手動のお散歩カーを用い、子どもたちが乗った何十kg以上にもなるカートを保育士自身の力のみで移動させていたため、とくに坂道など大きな力が必要な場面では、保育業務の中でもとりわけ大きな身体的負荷の高い業務となっていた。

現場の声を基に開発された電動アシストお散歩カーの製品版「避難車兼用電動アシストお散歩カー てくてくスワニー」は、2026年9月に受注開始される予定だ。今後、保育士の業務負担を軽減する心強い味方として注目を集めることだろう。

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