圏外エリアでもドローンを運航できるように
ドローンの飛行制御には無線通信が用いられている。小型のホビー用ドローンでは、Wi-Fiと同じ周波数帯を用いるものもあるが、オペレーターとドローンの間に障害物があると通信が途絶えてしまうことから、基本的に飛行可能エリアは目視内飛行に限定されてしまう。
一方、モバイル通信を用いた遠隔運航でも課題があった。地上と上空で通信環境が異なるため、上空でモバイル通信が圏外となりドローンも飛行できなくなってしまう。
今回、KDDIは茨城県高萩市のモバイル通信が圏外となるエリア上空において、飛行中のドローンと「au Starlink Direct」で通信し、機体制御信号および動態情報(テレメトリー)の送受信を実験。従来のモバイル通信だけでは飛行制御が困難だった圏外エリアにおいても、ドローンの飛行が実現できることを確認した。ちなみに、スターリンクとドローンの直接通信による飛行制御の成功は国内初のようだ。

衛星直接通信によるドローン飛行操作画面。
両社はこの技術を、災害時に通信環境が不安定となったエリアでの状況確認や、モバイル通信が届きにくい山間部での遭難者の捜索、クマをはじめとする獣害被害への対策、橋梁やダムなどのインフラ点検、地域の見守りなど、さまざまな事例に活用できるとしており、ユースケースの創出を官民連携で進めていくという。
今後は、2026年4月に総務省に採択された「令和8年度地域社会DX推進パッケージ事業の実証事業(先進的通信システム活用タイプ)」におけるシンボルプロジェクト枠を通じて実証を継続。モバイル通信と「au Starlink Direct」のハンドオーバーによる通信方式の最適な組み合わせや、モバイル通信圏外エリアにおける目視外でのドローンの遠隔運航を検証し、シチュエーションに応じた運用体制の確立を目指すとしている。
両社は、「au Starlink Direct」とドローンの直接通信技術を活用することで、平時・有事を問わず、全国どこでも10分以内にドローンが遠隔操縦で駆け付け可能となるドローンの社会基盤化を目指す方針だ。

