実証では訪日外国人のレンタカー事故ゼロを達成
近年増加傾向にある訪日外国人旅行者数は2025年に過去最高の4268万人を記録した一方で、訪日外国人によるレンタカー利用にともなう事故も増加している。総務省の調査によると、観光目的のレンタカー利用時の事故率は日本人の0.7%に対し、訪日外国人は3.0%と高い水準にある。
この問題に対処するためあいおいニッセイ損保とナビタイムジャパンは、テレマティクス自動車保険「タフ・見守るクルマの保険NexT」の契約者向けアプリをベースに、英語音声付カーナビゲーションや安全運転診断、交通ルールクイズ機能などが組み込まれた「レンタカー版NexTアプリ」を開発した。
両社は2025年5月~9月にかけて、岡山県と北海道においてアプリを使用した実証実験を実施。127組のレンタカー利用者が実証に参加して期間中の事故発生件数ゼロを達成、実証では訪日外国人ドライバーによる危険な運転挙動が、日本人ドライバーと比較して低い頻度で発生していることも確認され、アプリの事故防止効果が確認できたとしている。
また、事故につながる恐れのある急減速が発生する「ヒヤリハット地点」に関する分析では、日本の道路事情や交通ルールへの理解不足が原因とみられる特有の傾向が明らかになった。

日本人ドライバーと訪日外国人ドライバーの「ヒヤリハット」地点の違い。
参加者へのアンケートでは、「交通ルールクイズ」や「安全運転スコア」の利用により約8割の参加者で安全運転意識が向上したことが判明した。とくに、細道や交通量の多い道路など日本の道路に不慣れな訪日外国人にとって事故の危険性が高い道路が挙げられており、アプリの「細道回避検索」機能が事故防止に寄与したとされている。
実証実験の結果、「レンタカー版NexTアプリ」が交通事故防止に十分な効果を発揮することが確認できたため、あいおいニッセイ同和損保とナビタイムジャパンは2026年度中にレンタカー事業者向けに「レンタカー事故低減アプリ」の提供を開始する。
同アプリは、実証実験で使用していた英語音声付カーナビゲーション、安全運転診断、交通ルールクイズなどを軸に、事故削減や観光促進のための新たな機能の追加や改修も検討されており、2027年度上期には全国に展開するとしている。

