搭乗橋も自動化が進む
三菱重工グループの三菱重工交通・建設エンジニアリング(MHI-TC)は、空港ビルと航空機を接続し、旅客が安全に搭乗するための設備「旅客搭乗橋(パッセンジャーボーディングブリッジ/PBB)」を製造している。

成田国際空港に導入されている自動装着システム機能付きPBB。
その船舶版が今回の「Mitsubishi Marine Bridge(三菱マリンブリッジ/MMB)」で、ターミナルビルと船の乗り込み口を接続し、旅客が岸壁に降りることなくスムーズかつ安全に搭乗できる設備として運用されている。
MMBは種類の異なる船に対応し、潮の干満や船の軽荷・満載に左右されずキャブ+桟橋は常時水平を保持し、可動桟橋を安定して装着できるなど優れた性能と安全性の高い舶用PBBである。天候や気温の影響を受けにくい設計で、安全性、快適性、安心感を提供する旅客移動を実現するほか、旅客が岸壁に降りる必要がないため、セキュリティの向上や岸壁スペースの有効活用が可能だ。

自走式の舶用旅客搭乗橋「Mitsubishi Marine Bridge:MMB」
今回、横浜港 大さん橋国際客船ターミナルに導入されたものは、大型クルーズ船にも対応するモデルで、同社初の自走式MMBとしてGNSS(全球測位衛星システム)を利用した自動運転機能を搭載。ちなみに、この自動走行機能には空港用旅客搭乗橋(PBB)の完全自動装着システムの技術が応用されているという。
また、16輪独立操舵走行機能により岸壁上を自由に移動できるので、横浜港 大さん橋の「新港ふ頭」側と「山下ふ頭」側の双方での運用に対応している。岸壁上にレール敷設といった整備が不要な無軌道走行機能を持ち、荷役作業や関係車両の通行を妨げることなく、岸壁の有効活用を実現している。
さらに走行装置には自家発電機能が搭載されており、外部電源が不要で稼働できる。架橋時には、環境に配慮し陸電供給に切り替えることも可能だ。
バリアフリー機能にも配慮されており、緩やかな勾配のスロープでターミナルと船舶の間を接続し、利用者に優しい設計となっている。
同社は今後も自走式MMBの製造・納入を通じて、船舶の安全で円滑な運航に貢献していく方針だ。
【自走式MMBの特長】
(1)16輪独立操舵走行機能
MMBの前方と後方にそれぞれ8輪の独立操舵の走行装置を搭載して自走を実現。この走行装置によって、岸壁の先端を転回できるため、大さん橋ふ頭の「新港ふ頭」側と「山下ふ頭」側、双方の岸壁で運用可能。
(2)GNSS(全球測位衛星システム)自動走行機能
GNSSを使った自動走行機能を搭載。この自動走行機能には、空港用PBBの完全自動装着システムの技術を応用している。
(3)柔軟な装着機能
ターミナル側の異なる装着位置や、船舶側の異なる舷門位置などに、柔軟に装着可能。
(4)自家発電機能
MMBの前方と後方の走行装置には、それぞれ発電機を搭載。自走時は発電機、架橋時は環境に配慮し陸電と電源の切り替えが可能になっている。
(5)無軌道走行機能
岸壁の上にレールなどを整備する必要がないため、荷役作業や関係車両の通行などで岸壁の上を有効に活用可能。
(6)移動・待機機能
使わないときは、邪魔にならない場所に移動できる。
(7)バリアフリー機能
PBBおよびMMBの設計思想を踏襲しており、緩やかな勾配のスロープでターミナルと船舶の間を往来可能。
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