走行禁止エリアでモーターを強制停止させる安全策
Limeが首都高速道路の安全対策として、新たにジオフェンシング技術を導入した。電動モビリティの誤進入防止を目的に、警視庁および首都高速道路の協力のもと、首都高速道路出入口39カ所にこの技術を適用した。
新たな取り組みは、東京都23区内の広範囲をカバーしており、都市部における安全対策の一環として位置づけられている。この導入は、2025年2月にLimeが国内で初めてジオフェンシング技術を活用した誤進入防止運用を開始したことを発展させたものである。電動モビリティの利用拡大にともない、走行ルールの遵守と交通安全対策の重要性が増す中、運用範囲を拡大した。
ジオフェンシングとは、GPSをはじめとする位置情報を活用して地図上に仮想的な境界線を設定し、このエリアに特定の車両が進入すると速度抑制やモーター停止などの制御を自動的に行う技術である。この仕組みにより、利用者が特別な操作を行わなくても、走行禁止エリアへの侵入を阻止して安全性を確保できる点が特長である。

走行可能なエリアと禁止エリアでモーター制御を変えている。
2025年11月6日には、警視庁および首都高速道路の協力を得て、道路周辺環境が輻輳した都市部でのジオフェンシング制御技術の有効性を確認するため、現地での実証実験も実施。実験は首都高速道路6号向島線 堤通入口付近で行われ、制御ポイントでの速度抑制やモーター停止挙動、エリア境界での位置精度の検証などが行われた。この実証では、走行禁止エリア設定の精度向上や地図情報の更新プロセスの最適化に成功したという。
Limeは、これまでも警視庁や首都高速道路などの関係機関と連携し、誤進入リスクが高いエリアを中心にジオフェンシングの導入カ所を拡大してきた。そして今回、首都高速道路の出入口39カ所への導入を達成したのである。

首都高速道路におけるジオフェンシング設定は都内39カ所に広がっている。
Limeはこれまでも「渋谷ハロウィーン」や「東京2025世界陸上競技選手権大会」などの大規模イベント開催時に、交通規制に連動したジオフェンシング制御を活用し、安全で円滑な運営に協力してきた。今回の誤侵入防止策もあわせて、都市部における電動モビリティ利用の安全性向上と利用者の利便性確保を目指した取り組みを続ける方針だ。
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