2025年12月2日、Zip Infrastructure(ジップインフラストラクチャー)が開発する自走式ロープウェイ「Zippar(ジッパー)」が、成田国際空港の新交通システム動向調査において新技術モビリティのひとつとして取り上げられ、同社がヒアリングを受けたと発表した。調査内容は非公開だが、成田空港の構想に基づき新たな交通システム導入の可能性を見極める目的で実施されたという。
ロープとレールを使い分ける次世代交通機関「Zippar」
「Zippar」はZip Infrastructureが開発中の次世代交通システムで、低コスト・自由設計・自動運転を特長とし、従来型モノレールの1/5程度のコストと建設期間で敷設できるとされている。ゴンドラにバッテリーとモーターを搭載した自走式で、直線部はロープ、カーブ部分はレールを連続的に走行するもの。ロープウェイでは難しかった急カーブや分岐を可能とした、画期的なモビリティとして近年注目を集めている。
今回は、成田空港の新交通システム動向調査(2025)において、「Zippar」が新技術のモビリティのひとつとして取り上げられ、同社がヒアリングを受けたという。
ヒアリング内容は非公開としているが、この動向調査は、2024年7月に成田空港が公表した「『新しい成田空港』構想とりまとめ2.0」で想定される、新たな交通システムの可能性を見極めるために実施されたもの。3つの輸送範囲(下記)の中で、新交通システムの技術的動向を把握する目的があるのだという。
想定輸送範囲
1、新旅客ターミナル内における旅客等の施設内交通システム
2、新貨物地区とターミナル地区間における貨物・従業員等の交通システム
3、周辺地域と従業員駐車場、ターミナル地区間における周辺住民・従業員等の交通システム
鉄道とロープウェイのいいとこ取りを目指して開発が進むZipparが、日本の玄関口のひとつ「成田空港」の交通システムに採用されるのか、今後の動向にも要注目である。
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