カルコパイライト太陽電池で稼働する自動販売機が誕生
次世代型太陽電池には、材料となる鉱石に応じてペロブスカイト太陽電池(有機物半導体系)、カルコパイライト太陽電池(無機化合物半導体系)などがある。
現在主流のシリコン系太陽電池を用いた太陽光パネルは、重量があり、設置には架台や屋根などの付帯設備を必要とするため、設置場所や使用できるパネルの数にも制約があった。
一方、カルコパイライト太陽電池は軽量、かつ折り曲げることが可能というアドバンテージを有している。また、屋外耐久性や耐衝撃性にも優れているため、追加設備なしで自動販売機本体に直接太陽光パネルを設置することが可能なのだという。

PXPのカルコパイライト太陽電池は、フレキシブルなので曲面のある部位にも設置できるのがメリットだ。
今回の実証実験は、三菱商事の仲介のもと、サントリーとPXPが共同で取り組むもので、PXPが開発したカルコパイライト太陽電池をモジュール化した太陽光パネルが使用される。設置場所は、自動販売機の両側面、背面、上面の4面に及び、従来型パネルを搭載した自動販売機に比べて発電量の向上が期待されている。

自動販売機の前面以外の全ての面に太陽光パネルが直接設置されている。
PXPによると、カルコパイライト太陽電池を使用した太陽光パネルの自動販売機への活用は、世界初。カルコパイライト太陽電池の実用性や電力供給能力を検証し、電源のない場所への自動販売機設置や災害時の電源としての利用を目指すとしている。
※今回の実証実験では、カルコパイライト太陽電池のほかに副電源も使用予定
メガソーラーのような大規模導入ではなく、狭小な場所への太陽光発電設備の設置促進にどこまで貢献できるのか、今後の展開にも注目だ。
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